君を私色に染めて 〜探偵チームkz事件ノート〜

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私が黒木君の瞳をじっと見ていると、黒木君が何かを思い出したようにこちらを振り返った。

「アーヤは家族と行くの？あと、宿はもう決まってた？」

えっと、なんていえばいいんだろうか。あんまり家の事情は人には言えないし。

「ううん。一人で行くの。ホテルとかは予約が取れなくって」

さらっといえたぞ。よかった。

でも、あんまり深堀しないでね

「へぇー。でもなんで京都なんだ？」

若武。深堀しないで。根ほり葉ほり聞いていると嫌われるわよ。

だけど、ここで言わないと逆に怪しまれる

「京都の二条城を見たくね」

なんていい言い訳。こんなの思いつくなんて天才

へへっ

でもあながち間違いではない。

実は私京都に行ったことがない。

修学旅行とかは日光だったし。京都は人生に1度は行ってみたいと思っていた。

なのに、行く理由がパパの不倫を確かめるためなんて、悲しすぎる。

パパは不倫なんてしない。そう思っている。

「一応、車で行くことになっているんだけど、アーヤはそれで大丈夫」

車・・・・

京都まで車で行くんだ。

ダメだ。車で行くとパパの方が早くついちゃう。

それに、ママがJR新幹線のぞみを予約してくれている。

「ごめん。それは無理かな。もう新幹線予約しちゃて」

私としては、ひどいかもしれないけど泊るところを用意してくれていればそれで充分だ。

すると、若武が目をキラキラさせながらこう言った。

「じゃ、俺らも新幹線で行こう。それぐらい黒木大丈夫だよな」

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