再会から始まる運命の歯車 NO’2

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家に帰ってすぐにママにこのことを報告した。

「留学ね・・・あらっ全額無料！」
やっぱりお金のこと気にしてたんだ。

「ママは賛成。だけどパパがゆるしてくれるかしらね」

そう言いながらキッチンに行き紅茶を注ぐ音がする。このにおいは、

「アールグレイ」
私が興奮したでいうと、ママは優しく微笑んだ。

「そう正解。」

やった！。アールグレイの匂いならすぐにわかる。なぜなら、

「さすが、イギリスで育った子ね」

イギリスで育ったから。イギリスではすっごい愛されている紅茶なんだ。私も毎日のように飲んでいた。あー飲みたくなってきた。そう思っていると、私の前にティーカップが置かれた。

「彩。いいわよ。冷めないうちにどうぞ。」

いえーい！思わず飲むと口いっぱいにさっぱりとした香りが広がった。
堪能していると、ママが急にため息をついた。ため息つくなんて珍しい。

「彩が留学したら私たち3人かー。寂しくなるな」

えっ。4人じゃないの？

「祐樹も1人暮らしするみたいだから。」

そうなんだ。

「私、留学して勉強たくさんする。家族が喜ぶような成績にして将来ちゃんと親孝行できるように
　お金貯めるから。そんなさみしそうな顔しないでよ」

私が頼むと、ママはうんうんとうなずいてくれた。

「本当は塾辞めさせなくてもよかったんだけど、彩には変わってほしかったの。
　塾辞めたらその分時間があくでしょ。その時間を家族とか、学校の勉強の時間に使ってほしかった のだけどそんなの私の欲望だから、彩のやりたいこと思う存分しなさい。

　 留学はパパがダメっていっても行かせてあげるからね」

ママ。。私のことちゃんと考えてくれたんだね。ありがとう。

そのあとのんだ紅茶は、少し甘くて大人っぽい味がした。

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