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『毒?』
「はい。何らかの毒である事は間違い無いで
す。」
「ただ何の毒かは分からなくて...検査をして
も症状から考えても分からないのです。」
駆け込んだ動物病院の先生によると小さな身体は毒に侵されていたらしい。
正体不明の致死性の毒。
一体何時そんな物を摂取したのか。部屋の外には出していないし室内にそんな物は絶対ない。
「このまま何もしなければ間違い無く死んでし
まいます。なのに何の毒かが分からない!」
近くに置かれた酸素室の中で小さな身体は力なく横たわっている。
このままでは本当に死んで仕舞う。
「何でもいいのです。何か思い当たる事は有り
ませんか?」
必死にそう問う先生。そんな事言われてもある筈がない。
外には出てない、部屋の中にもそんな物ない。
じゃあ何時摂取したというの。
大体正体不明の毒とは何なのだ。
そこまで考えて1つ、有り得ない可能性が頭に浮かんだ。
「君は異能力って信じるかい?」
それは何時ぞやの会話。
当然そんな事を聞かれた時は訳が分からなかったけれど真逆。
考えろ。あの時彼は私が倒れた直後に相手も倒れたと言っていた。然しもし其れが私の能力による物だとするならば何故今まで生きていて気づかない?矢っ張り異能力じゃない?
否、今回もあの時も意識が無かった。意識がない時に発動しているとするなら可能性は存分に有り得るし気付かなくても可笑しくはない。
今までこの子や誰かさんが無事だった以上発動には他にも条件が有りそうだ。
条件が揃ってしまい自覚のない異能力で小さな身体を傷つけた。
他に毒を摂取する方法がない以上その可能性が1番高い。
私は自分の能力を操れない。何なら自覚したのだって今だ。
だったら強制的に能力を無効化しなくてはならない。そんな方法があるのかは知らないけど出来なくちゃこの子が死ぬ。
ポケットに詰め込まれたスマホを取り出した。
『異能を無効化出来る方法、もしくは人を知り
ませんか?』
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作者名:とと | 作成日時:2019年9月10日 19時