今日、幼馴染みやめます。4【Yuta.T】 (ページ10)

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「もう一度言うけど。Aはただの幼馴染でなんの関係もない。俺はもうまなちゃんのことが好きじゃない。だから、こういうことは出来ない……傷付けて、ごめん」

まなちゃんは、身体を丸めて泣いていた。

やっぱり上半身裸の肩にブレザーを掛けてあげたら、蚊の鳴くような声が聞こえてきた。

「ごめんね……さようなら」

これが、まなちゃんとの三ヶ月記念日に訪れた、壮絶な別れの話。

あんな行動に出たまなちゃんだけど、翌日はいつもの様子で控えめに笑いながらブレザーを返しに来てくれた。

「彼氏できたら報告するね！」

ビクビクしてた俺だけど、この一言に救われたんだ。
そうして一週間後には、三年の先輩とイチャついてるまなちゃんを目撃した。
なんだよ、早いなおい！ってツッコミはさておき、本当に別れられたんだって心底ホッとしたんだ。

この一件で学んだことがある。

ひとつ、外見だけで好きにならない。

ふたつ、Aとの関係を事前に理解してもらった上で付き合う。

みっつ、嫉妬深くて肉食系女子には要注意。

よっつ、馬鹿正直になっちゃいけない。

いつつ、もちろん嘘をついてもいけない。

こんな条件を満たす子なんているわけないのは重々承知だ。

っはぁ……と軽くため息を吐いて顔をあげたら、Aのつむじが目に入った。

そっか。Aと会うのを嫌がられるんだから、Aを選べばいい話じゃん！