30 ページ30
炊事場の方からママの声が聞こえた。1時間くらい寝かせてあげればーって言ってる。
そっと目を閉じる。狸寝入りをするつもりじゃなかったけど、流れ的にこうするしかない。
すぐ傍にまだAの気配があるから、俺の近くにまだいるってこと。
ぽっかりと口を開けて、寝てますよアピール。
「…おやすみ」
すると不意打ちで、そっと髪に指を入れられた。背中がゾクゾクして、身体が跳ね上がりそうになったのを必死になって抑える。
Aはそんな俺のことをつゆ知らず、ゆっくりと優しい手つきでナデナデしてくれて。
…なんだよ、普段なら絶対こんなことしないじゃん。って思ったら、ドキドキし始めた。
俺、何故か今すっごいバックバクなんだけど!
つーかバクバクし過ぎて、肩で息しちゃってるし!
それからAは、すぐにリビングから出ていって風呂に行ったみたいだった。
…よし、今の隙に帰ろう。
ドキドキしてる胸が落ち着かないうちに、飛び起きた。
「帰るわぁ」
深呼吸とウーンと伸びをしながら言うと、ママが驚いたように顔を覗かせた。
「あら、起きてたの?」
「一瞬寝かけたけど。マジで寝ちゃったら帰りたくなくなるし」
「泊まってってもいいのよー?」
「それはさすがにヤバいでしょ」
「ヤバい?」
幼馴染みつったって、男と女なんだからさぁ。って言おうと思ったけどやめた。
口に出した途端、ママが俺を警戒しだしたら厄介だ。
ママって結構天然なんだと思う。うちのかーさんと真逆のタイプ。
728人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:七子 | 作成日時:2017年12月17日 12時