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「帰ってお風呂入らなきゃ駄目でしょ」
「一日くらい…ヘーキ……」
「何言ってんの。先輩たちに、玉ちゃん可愛いけどくっさーい!って言われちゃうよ」
クサかったら女の子に嫌われるかな…まぁ…それでもいーや……Aに…嫌われないなら…。
「いいよ…もう、なんでも……」
薄れる意識の中で、近頃よく耳にする曲が聞こえてきた。最近Aが気に入ってて鼻歌歌ってるやつだ。
「あ、この歌好き…」
聴き覚えのあるメロディーにのせて、どっかで聞いたことのあるような歌詞が歌われている。
普段ならこんな曲は絶対に聴かないんだけど、Aが気に入ってる様子なのに気付いて聴いてみたのが最初。
かなりリピートしてたらじわってきて、最終的にどハマりしちゃってたんだ。
そうしたら、Aが言った。
「私も好き」
…俺に向けての言葉じゃないのに。
この曲のことだって解ってるのに、何故か胸の奥がぎゅぅぅってした。
「……ん、知ってる」
「知ってたの?」
「なんでも…知ってるよ……」
Aが強がりだってことも、意外に打たれ弱いってことも。
そして、俺のこと結構好きだってこともね。
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作者名:七子 | 作成日時:2017年12月17日 12時