シンキングタイム ページ44
「み、箕浦さんを助けて下さい！」と婦警さんが云うが、私は乱歩さんをどうにかできる立場じゃないのだ……、すまない、私には助けることができないのだ。ムリムリと首を振る。
彼女は私の隣のポオ君に助けを求める視線を投げかけた。だが彼にしても、「乱歩君が突然喜んだ理由。推理するのである」と云い始めた。
それ以前の問題として──まず警察の到着が速過ぎた。私達が一階まで降りるのと同時に彼らが到着するには、どう考えても誰かが��事前に��通報せねば説明がつかない。しかし事前に通報した理由は──、
「市警に現場を封鎖させ、僕を死体に触れさせない為だ」
名探偵の乱歩さんに死体に触れられたらまずいものがある。もしくは、気付かれるとまずい。死後のことを考えている人物なんて中々いないし、そうだとしても警察に連絡しておく理由がわからない。
つまり自 殺ではないことだけは慥かだ。
「《鼠》の一味が口封じに突き落とした？」
「違う。これを見ろ」
乱歩さんは死体から数メートル離れた処に転がっていた革靴を持ち上げる。どう考えても被害者の靴だ。
普通ならば地面に衝突した時に跳んだと考えるけど、乱歩さん曰く方角も違うし距離があり過ぎるらしい。私は乱歩さんの位置と死体の位置を見比べ、ほう、と感嘆の息を吐いた。慥かに──例え最上階から落ちたとしていても、履いている靴があそこまで跳ぶことなんてないだろう。
空中を落ちている時に脱げたんだ、という乱歩さんの言葉に私は何の疑問も抱かなかったのだが、ポオ君が「落ちる前では？」と問う。……そうか、もしも突き落とされていたとしたらその前に落ちた可能性もあるのか。
「違う。窓から見た時は履いていた」
『窓、って──あの落ちている一瞬のさなかで！？』
「──？ 当然だろ」
乱歩さんはさも当然のことのように云うが、人間ほどの重さのものが空中を自由落下する時、ただ一点を通過するのなんて本当に刹那なはずだ。
私はもう焼き付いているとかそんな感じだけれど(それでも靴を履いていたかどうかなんて思い出せない)、彼は状況を的確に判断しその上で冷静に観察をしたのだ……、正直、化物としか云いようがない。
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白夜の世界(プロフ) - 織田作さんです。(即答) (2020年9月9日 20時) (
レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
もーりーふぁんたじー - 白夜の世界さん» またアニメ見たいです……白夜の世界さんの推しは誰ですか？私は……全員ですね！ (2020年9月9日 18時) (レス) id: 0e56321508 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - もーりーふぁんたじーさん» 一気読みすげえ！！最初と最後の文章力の差が激し過ぎますが、えっ読んでくれてありがとう御座います……最近あんまり人気がないようで悲しいです文スト……アニメ再放送でも何でもいいからやってくれって願ってます……。 (2020年9月9日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
もーりーふぁんたじー - 一気読みしちゃいました！応援してます！ (2020年9月9日 17時) (レス) id: 0e56321508 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 霧雨さん» コメントありがとう御座います〜〜！！三日毎更新と少し遅いものではありますが頑張っていきたいです……！だけどこの先どうすればいいのか絶賛悩み中です(笑)。 (2020年8月30日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2020年5月1日 17時
