福沢さんの猫好きが無邪気すぎるんだが？ と思った今日この頃。

にににせんまん ページ41

私はもはや彼が何を云ったのかすら理解できていなかったが、乱歩さんは私よりも断然理解力が違った。いや、衝撃を受けたのは二人とも同じだったけれど。

唖然とする私達の顔を見て、ポオ君が「何であるかその顔……」と云う。いや、何であるかとかじゃなくて。え？ はい？ 二千ま、え、二千万！？




「設計者長(マスターアーキテクト)の階位は組合(ギルド)の第三位。翌日には払ったことも忘れる額である」


「莫迦じゃないの？」




ちょちょちょっと待ってくれ、今心底乱歩さんに同意している。慥かにポオ君は組合(ギルド)に所属していたけれど、え、そんなに偉かったの？


……でもそれぐらい偉くなければ、そうか、乱歩さんと一騎討(いっきうち)のようなものはできないか。ホーソーンさんやミッシェルさんですら、荷物を運ぶ指示やら何やらをしていた訳だし(何が云いたかって、要するに彼らは仕事をしていたよねという)。

ただポオ君が仕事をしているのは見たことがない。いやこんなことを云うのはかなり失礼に値するかもしれないけど。普通に乱歩さんと勝負させることで戦力を削ごうとかいう思惑もあったのかもしれないけど。



『ぽぽポオ君、ちょっとお金をくれないかと云いたいところだけどそんなことを云ってしまったら流石に人間として終わっている気がして盛大に悩んでいる最中だクソッ……！』

「独白なのか我輩に云っているのかどちらかにしてもらえるであるか」



元の世界の太宰さんはともかく、この世界の太宰さんですら借金はしていないのだ(ツケは大量にある)。友人にお金を借りるなんてあってはならない、例えその人が二千万なんてはした金だぜはっはっはと高笑いしていても！ 別にポオ君そんなことしてないけど！


乱歩君の貴重な呆れ顔を見れたので黒字である、とかほざいてやがるポオ君が今だけ心底恨めしい。くそぉ……二千万あったら一体何ができるってんだ……こんな紙切れが二千万だなんて私は信じない……！


うおおと何かに燃えている私をポオ君がドン引きした目で見ていた。泣いた。

Let's think→←これで円じゃなくドルだったら発狂もの

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