これで円じゃなくドルだったら発狂もの ページ40
絶句する私の肩の上、アライグマのカールがキュウと鳴いた。小動物とはいえかなり重みのあるカールの存在を忘れるぐらいにはびっくりしていたという訳だ。カールがもどかしそうに私の肌を引っ掻くので、私は腕の中にカールを抱え直す。
「君の優秀な助手が教えてくれた。休日の人混みに小動物は危険だし面倒だ。それでも連れて来たのは、待ち合わせの目印の為だ。つまりお互いに面識がない」
乱歩さんの流れるような推理。私は何も云えず、ポオ君も何も云わなかった。
「それに君は競売と云った。世間騒然の第四話を売るなら地下競売が一番。面識のない相手と待ち合わせの約束……、競り落とした原稿を受け取る約束だった。まだ続けるか？」
乱歩さんの問いにポオ君は少し躊躇したあと、いや、と僅かに声を出した。その反応を見て(反応なんて見るまでもなく、乱歩さんの推理なのだから間違っているはずがない。けれどそれに少し救いを求めてしまうのは仕方がないと思うのだ)、私はそれが本当だということを察する。
けれど、別にポオ君に幻滅したりはしないし──大体競売で買い、まだ受け取っていないなら犯罪にもならないはずだ。流石に探究心と好奇心が強過ぎるな、とは思うものの。
「自力で謎を……、解きたかったのである。誰より先に。だが原稿を警察が買えば、報道で真相が流れてしまう」
ッあ〜〜〜可愛すぎかよポオ君！ だがやはりその発想はコミュ障だな！ そこが可愛いんだけどさ！
堪え切れぬ感情に突き動かされ、私はポオ君に向かって思い切り抱き着いた。腕に抱いていたカールは私の顔面を蹴って(痛い)ポオ君の頭へと戻る。カールが戻って来た嬉しさと私に抱き着かれた困惑がない交ぜになった表情がとんでもなく可愛かったので、私はわしゃわしゃと頭を撫でてあげた。
「立派な証拠品だ。すぐに警察に渡せば感謝状だ」と乱歩さんが云った。感謝状。そもそもポオ君は
「そうするのである。高々二千万の買い物であったし」
だが次のポオ君の爆弾発言に全部吹っ飛んだ。真なる絶句というのはこのことだと考え直した。
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白夜の世界(プロフ) - 織田作さんです。(即答) (2020年9月9日 20時) (
レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
もーりーふぁんたじー - 白夜の世界さん» またアニメ見たいです……白夜の世界さんの推しは誰ですか？私は……全員ですね！ (2020年9月9日 18時) (レス) id: 0e56321508 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - もーりーふぁんたじーさん» 一気読みすげえ！！最初と最後の文章力の差が激し過ぎますが、えっ読んでくれてありがとう御座います……最近あんまり人気がないようで悲しいです文スト……アニメ再放送でも何でもいいからやってくれって願ってます……。 (2020年9月9日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
もーりーふぁんたじー - 一気読みしちゃいました！応援してます！ (2020年9月9日 17時) (レス) id: 0e56321508 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 霧雨さん» コメントありがとう御座います〜〜！！三日毎更新と少し遅いものではありますが頑張っていきたいです……！だけどこの先どうすればいいのか絶賛悩み中です(笑)。 (2020年8月30日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2020年5月1日 17時
