眼力にも種類アリ ページ23
眩しさに目を細めながら、花袋さんと一緒に瓦礫の中から這いずり出る。そうしたら目の前に夏目先生がいてホントビビった。
昔の人見知りが蘇り、ちょっと体が意志に反して動こうとするのを何とか抑えつける。あと何かこの人眼力マジで怖いんだよな、社長のは何か殺されそうな眼力だけど夏目さんはめっちゃ見透かされてるような眼力なんだよな! こわ! 止めて!
というか普通に誘拐同然のやつだったのでこんな風にビビるのは当然では……? と脳内で誰も聞いていない云い訳を宣う。御免なさいね情緒不安定で。
……というか社長? 社長いらっしゃるよな? いや待ってめっちゃ血だらけ! えっ大丈夫ですか社長! 待って下さい社長めっちゃ汗と血流れててそっち方面の方にすげえモテそうな格好してますね社長!
「花袋の小僧が鼠の
夏目先生は大仰な仕草でそう云った。……あぁ、花袋さんがずっとカチャカチャやってたのってそういうことだったのか。やべえな私ずっと邪魔してただけじゃん。今更ながらえげつない罪悪感を覚える。
だが居場所を割り出しただけで終われないだろう。勿論追っ手を放つ必要もあるが、そもそもドスさんがそこにいるのかすら不明なのではないか。そんな私の疑問をそのまま説明してくれるかのように、夏目先生は「では何を
私と花袋さんが顔を見合わせる。私達陰キャ&頭の回転早くない組です。無理だよねみたいな視線を送ったら無理じゃよなという視線が返って来た。
けれども元上司と現上司はそんなことはない。すぐさま夏目先生の意図に気づいた。
「今……、この状況?」
「……そうか。二人の長が生死不明の時のみ、奴は状況確認の為潜窟にとどまる……」
──恐らく、これに若干の違和感を感じたのは私だけだったと思う。花袋さんも「ほええ」と云いたげな顔をしていたし、夏目先生も二人が出した答えに満足げに頷いていた。恐らく気のせいだと割り切る。
そもそも私よりも断然彼らの方が頭が良いのだから、乱歩さんに云われた通り、私は考えなくて良い。ただ助けになれるだけで。
ウイルスが発症するまで、後およそ十二時間。それが黄金時間だ。
夏目先生は一瞬ニヤリと口角を上げたが、すぐさま凛とした顔つきで「儂が見込んだ御前等の組織じゃ。鼠如きが食い荒らせるモノではない」と云った。
「二人共、それを証してみせよ」
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白夜の世界(プロフ) - 織田作さんです。(即答) (2020年9月9日 20時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
もーりーふぁんたじー - 白夜の世界さん» またアニメ見たいです……白夜の世界さんの推しは誰ですか?私は……全員ですね! (2020年9月9日 18時) (レス) id: 0e56321508 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - もーりーふぁんたじーさん» 一気読みすげえ!!最初と最後の文章力の差が激し過ぎますが、えっ読んでくれてありがとう御座います……最近あんまり人気がないようで悲しいです文スト……アニメ再放送でも何でもいいからやってくれって願ってます……。 (2020年9月9日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
もーりーふぁんたじー - 一気読みしちゃいました!応援してます! (2020年9月9日 17時) (レス) id: 0e56321508 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 霧雨さん» コメントありがとう御座います〜〜!!三日毎更新と少し遅いものではありますが頑張っていきたいです……!だけどこの先どうすればいいのか絶賛悩み中です(笑)。 (2020年8月30日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2020年5月1日 17時