いや何処やねん ページ13
なんてグダグダとした会話を続けていれば、すぐ近くで大きな音が聞こえた。
もっとも、ただの近所迷惑な爆音という訳ではない──爆発音だ。それに伴う人々の悲鳴。国木田さんと敦君がバッとそちらをすぐさま振り向いた。
勿論私も──と、云いたい処なのだけれど。
体が、どうにも動かなかった。
「爆発音……！？ 一体何でしょうか、」
「分からん、取り敢えず警察に電話しろ。そちらの対応に任せるしかない。もし凪の云う通り太宰の身に何かあったら、フョードル達と戦うことそのものが困難に────は？」
私は駆け出していた。国木田さんが後ろで驚いた気配が伝わって来て、制止の声が耳朶を思い切り叩く。私は『すみません、すぐ戻ります！』と後ろに叫び返しながら、人混みの中をかき分けていく。
記憶にある。しかし何のことかは判らない。えぇと、説明するのがその、ちょっと難しくてややこしいんだが……、端的に云えば、これが原作で起こった何らかの
此処は別に人通りが多い方ではないはずなのに、何故か今日は人がごったがえしている。ありえないぐらいにだ。
何とかそれをかき分けて、裏路地へと進む。此処らへんは入り組んでいるので迷子になりやすいが、それぐらい道が色々な処と繋がっているのだ。
この何処かに、太宰さんはいる。
私はそう確信して、路地裏へ入る第一歩を踏み出した。
『いやいねぇんだけど！』
そう叫んでも、帰って来るのは反響音のみで。
いやいねぇんだけど。何処や太宰さん。私の直感が間違っていたというのか、なんて下らないことを考えるぐらいの頭の余裕はできてきた。マジで何処にいんだよ、とぶつぶつ恨み言を呟き続けながら、また路地を何度も曲がる。一度大通りに出てしまったが、そこには確実に彼はいないと分かっていた。
そしてもう十何度目の曲がり角を曲がった時に、タン、と音がした。
パッと赫色が飛び散った。赤い、というより、赤黒い血。じゃあ、何だ。さっきのアレは
茫然として声も出ない私の前で、太宰さんが崩れ落ちた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 709人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白夜の世界(プロフ) - 織田作さんです。(即答) (2020年9月9日 20時) (
レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
もーりーふぁんたじー - 白夜の世界さん» またアニメ見たいです……白夜の世界さんの推しは誰ですか？私は……全員ですね！ (2020年9月9日 18時) (レス) id: 0e56321508 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - もーりーふぁんたじーさん» 一気読みすげえ！！最初と最後の文章力の差が激し過ぎますが、えっ読んでくれてありがとう御座います……最近あんまり人気がないようで悲しいです文スト……アニメ再放送でも何でもいいからやってくれって願ってます……。 (2020年9月9日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
もーりーふぁんたじー - 一気読みしちゃいました！応援してます！ (2020年9月9日 17時) (レス) id: 0e56321508 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 霧雨さん» コメントありがとう御座います〜〜！！三日毎更新と少し遅いものではありますが頑張っていきたいです……！だけどこの先どうすればいいのか絶賛悩み中です(笑)。 (2020年8月30日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2020年5月1日 17時
