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古河愛理 ページ22

「でも…翼がどこにいるのか分かるのかよ!」

典兄の一言で、皆が口を閉じる。
だって、手がかりはゼロ。闇雲に探す以外、方法はないもの。

翼みたいな鼻があったらいいのに。
叶わない願いを考える自分に嫌気がさす。

「…方法なら1つだけある。」

えっ!?
貴兄の一言に、私たちは目を見開いた。

「危険だよ。それでもいいなら…」

「いいよっ!教えて、貴兄!」

貴兄が言い切る前に、私は声を上げていた。
危険?そんなの、翼の今の状態の方がきっと危険だ。

“姉”として、早く翼を抱き締めて謝りたい。
そのためには、なりふり構ってられないもの!

私の勢いに一瞬戸惑った貴兄は、すぐにニヤリと笑った。私の頭をクシャリと撫でた後、私たちを一瞥する。

「俺が思う方法は…」

ゴクッ!

「谷先輩に、直接接触することだ。」

えぇっ!?
バカな私でも分かる。
谷先輩が翼を狙ったのは、お兄ちゃんたちをおびき寄せるための罠。

自分から行っちゃって、いいの!?

典兄や臣兄も同じことを思っていたらしく、呆然としていた。

そんな中、貴兄は目を鋭く尖らせた。
拳は、血が出てきそうなほど固く握られている…

「谷先輩は、翼のことを俺らをおびき寄せる罠とも、人質とも思っちゃいないよ…。きっと、翼は俺らを怒らせるための駒。

谷先輩は、翼がどうなったっていいんだ。ボロボロの翼を見た時の俺らの反応が見たいだけなんだよ…」

そんな…

「そんなの、おかしいっ!」

絶対、おかしい!
ボロボロの翼を見た時の私たちの反応を見たい…?
それをするためには、翼1人どうだっていい?

そんなの、間違ってる!


「それが目的なら…谷先輩と接触するしかないな。」

「翼の居場所、吐かせてやる。」

「憎悪が翼に向くのはおかしいよ…」

典兄も臣兄も彦兄も、悔しそうに目を細めた。
拳を握りしめ、戦闘態勢に入っている。

でも、それを制したのは貴兄だった。

「まぁ待て。谷先輩に接触する前にまず、会っておくべきヤツがいるんだ。」

「はぁ!?」

お兄ちゃんたちの驚きの声にかぶせるように、貴兄はまたニヤリと笑って言った。



「古河愛理……谷先輩と関わりの深い人物にね。」

終わり ログインすれば
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未麗 - 更新頑張って下さい‼             (2022年3月27日 14時) (レス) @page22 id: 1aa17b468f (このIDを非表示/違反報告)
ねねね - 面白いですね!更新まってます! (2020年3月9日 16時) (レス) id: 65314d53ab (このIDを非表示/違反報告)
みずは翼(プロフ) - アル@Project KZさん» 見てくれたんですね…嬉しいです!!ありがとうございます♪ (2019年8月22日 22時) (レス) id: 9487e9fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
アル@Project KZ - 面白かったです! (2019年8月22日 20時) (レス) id: c93556c612 (このIDを非表示/違反報告)
みずは翼(プロフ) - とうしろうさん» 短くて大丈夫ですよ〜!更新頑張りますね!ありがとうございます! (2019年7月31日 16時) (レス) id: 9487e9fcb1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みずは翼 | 作者ホームページ:http://mizuha.uranai@tututu  
作成日時:2018年9月7日 23時

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