354話 ページ8
立花さんへの質問を終えたナルボンヌさんは、次に、若武くんや黒木くん、私にも話を聞いた。
けれど私たちは、シンデレラ特急の事故のため、離れて行動していたと言い、ミシアのことについては何も知らないと答えた。
「まだほかにも、子どもがいるよね」
上杉が病気で、小塚くんが看病していると言うと、2人にも話を聞かなければと、ナルボンヌさんは寝室に向かった。
小塚くんの作業が見られないかと思ったが、うまく隠してくれたらしく、まもなくナルボンヌさんは客間に戻ってきた。
「じゃ、これから実際に、悲鳴が聞こえたところまで行ってみたいんだが、案内してくれるかい」
私たちはうなずき、動けるメンバーで、城を出た。
でも今度は、歩きではなく、パトカーだった。
若武くんなんて、すごくはしゃいでいる。
「すげぇ、フランスのパトカーだぜ。オレ、初めて」
のんきねぇ。
「ところで」
黒木くんが、皮肉な微笑をうかべてナルボンヌさんに聞いた。
「さっきもちらっと言いましたが、シンデレラ特急が、とつぜん、ぼうそうしたことについては、カナールさんたちから何か聞いていますか」
ナルボンヌさんは、首を横にふった。
「いや、何も」
すると、隣にいた警官が口をひらいた。
「シンデレラ特急が、今日、駅に止まらなかったようですよ。本署に何件か苦情が来ています」
「そうか。私は、ミシアと君たちが館から散歩に出ていったとしか聞いてないが、シンデレラ特急に乗っていたのか。それが暴走したんだね」
そういうことになっていたのか。
「事情は、よくわかったよ。ラングさんに、もう一度話を聞かなきゃならないようだな」
怒ったように言いながらナルボンヌさんは、手帳を閉じた。
ラングは何て言い訳するのか、見れないのが残念だ。
「さ、早く乗って」
ナルボンヌさんにそういわれて乗りこむと、視線を感じる。
それをたどると、部屋の窓からあいつがこちらを見ていた。
まあ、警察の前に姿を出すわけにはいかないもんな。
本当ならついて来たい所だろうけど。
※※※
「ここです」
立花さんは、悲鳴を聞いたという所まで案内してくれた。
「あっちから聞こえました」
立花さんの言葉を聞いたナルボンヌさんは、警官を使って、あちらこちらを探させ、目についたものをなんでも集めて歩いた。
懐かしいような、そうでもないような、変な気持ちだ。
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mio - 返信ありがとうございます!あまり無理をしないでガンバってください!! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - mioさん» コメントありがとうございます!更新はもうしばしお待ちください。お話は出来てるのですが、打つのが中々…。それでも、皆さんに少しでも早くお届けするため、がんばっております。これからもよろしくお願いします! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください!応援しています!! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 忍大好きマンNさん» コメントありがとうございます!皆様の応援を糧に、精一杯がんばっていきます。これからも読んでいってください。 (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ももりんごさん» コメントありがとうございます!返信遅くなり申し訳ありません。そこまで言っていただき、本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね♪ (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年2月21日 13時