検索窓
今日:17 hit、昨日:0 hit、合計:89,708 hit

354話 ページ8

立花さんへの質問を終えたナルボンヌさんは、次に、若武くんや黒木くん、私にも話を聞いた。

けれど私たちは、シンデレラ特急の事故のため、離れて行動していたと言い、ミシアのことについては何も知らないと答えた。

「まだほかにも、子どもがいるよね」

上杉が病気で、小塚くんが看病していると言うと、2人にも話を聞かなければと、ナルボンヌさんは寝室に向かった。

小塚くんの作業が見られないかと思ったが、うまく隠してくれたらしく、まもなくナルボンヌさんは客間に戻ってきた。

「じゃ、これから実際に、悲鳴が聞こえたところまで行ってみたいんだが、案内してくれるかい」

私たちはうなずき、動けるメンバーで、城を出た。

でも今度は、歩きではなく、パトカーだった。

若武くんなんて、すごくはしゃいでいる。

「すげぇ、フランスのパトカーだぜ。オレ、初めて」

のんきねぇ。

「ところで」

黒木くんが、皮肉な微笑をうかべてナルボンヌさんに聞いた。

「さっきもちらっと言いましたが、シンデレラ特急が、とつぜん、ぼうそうしたことについては、カナールさんたちから何か聞いていますか」

ナルボンヌさんは、首を横にふった。

「いや、何も」

すると、隣にいた警官が口をひらいた。

「シンデレラ特急が、今日、駅に止まらなかったようですよ。本署に何件か苦情が来ています」

「そうか。私は、ミシアと君たちが館から散歩に出ていったとしか聞いてないが、シンデレラ特急に乗っていたのか。それが暴走したんだね」

そういうことになっていたのか。

「事情は、よくわかったよ。ラングさんに、もう一度話を聞かなきゃならないようだな」

怒ったように言いながらナルボンヌさんは、手帳を閉じた。

ラングは何て言い訳するのか、見れないのが残念だ。

「さ、早く乗って」

ナルボンヌさんにそういわれて乗りこむと、視線を感じる。

それをたどると、部屋の窓からあいつがこちらを見ていた。

まあ、警察の前に姿を出すわけにはいかないもんな。

本当ならついて来たい所だろうけど。

※※※

「ここです」

立花さんは、悲鳴を聞いたという所まで案内してくれた。

「あっちから聞こえました」

立花さんの言葉を聞いたナルボンヌさんは、警官を使って、あちらこちらを探させ、目についたものをなんでも集めて歩いた。

懐かしいような、そうでもないような、変な気持ちだ。

355話→←353話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
59人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

mio - 返信ありがとうございます!あまり無理をしないでガンバってください!! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - mioさん» コメントありがとうございます!更新はもうしばしお待ちください。お話は出来てるのですが、打つのが中々…。それでも、皆さんに少しでも早くお届けするため、がんばっております。これからもよろしくお願いします! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください!応援しています!! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 忍大好きマンNさん» コメントありがとうございます!皆様の応援を糧に、精一杯がんばっていきます。これからも読んでいってください。 (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ももりんごさん» コメントありがとうございます!返信遅くなり申し訳ありません。そこまで言っていただき、本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね♪ (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きょっちー | 作成日時:2020年2月21日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。