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352話 ページ6

「じゃ、代わりを考えないと」

若武くんの言葉に、小塚くんがハンカチでバッグの中をぬぐいながら立花さんの方を見た。

「上杉は、風邪なんだよね。薬は?」

「今、デジュネが取りにいってるよ」

「それでいいよ。ほとんどの風邪薬には、眠くなる成分が入っている。抗ヒスタミン薬の一種なんだけど、上杉の風邪薬をちょっともらって、分析して、それが入っていたら2人に飲ませよう」

若武くんがうなずく。

「実行は、夕食時だな。それまでに黒木は、万能キーオープンを作ってくれ。薬をまぜるのは、アーヤだ。オレと桜田、小塚で、連中の目を引きつける。その間にまぜるんだ」

しかし小塚くんがそれをさえぎる。

「ボクがやるよ。料理の素材によっては、うまく溶けないかもしれない。ボクが判断して、いちばん大丈夫そうなものに入れるから。アーヤは、若武と桜田と組んで人目を引く方を引きうけてよ」

立花さんはうなずいた。

「よし、行動開始だ」

若武くんの号令で、黒木くんが立ちあがり、台所に向かう。

小塚くんは、デジュネから薬を受けとるために玄関で待ちぶせ、私、若武くんと立花さんがその場に残って打ち合わせをした。

「おまえら、何か人目を引くこと、できる?」

『私は身体パフォーマンスくらい。サックスがあれば、それを吹いたんだけどね』

「オレもそれくらいだな」

「じゃ若武と桜田さんが、やってよ。私は解説役にまわるから。それで小塚クンの様子を見ながら、GOサインやストップサインを出す」

若武くんはうなずき、ものすごく考えこんでから言った。

「バック転3回して、逆立ち歩きして、バック転8連発ってどうだ?」

それ、すぐ終わるわよね。

『2人分の食事に入れるのだから、少なくとも10分は引きつけておく必要があるわ。協力してリフティングとかどうかしら?』

「そうだな。いいかもしれない」

そんな相談をしていると、黒木くんが帰ってきた。

「喜べよ」

そう言いながら私たちのそばに座り、顔をよせて、ささやくような小声で言った。

「神は、オレたちの味方だ。今、台所でロゼがカフェを入れてた。1人分だ。それとロールケーキを一緒にトレーにのせて、塔に運んでいったんだ」

私たちは顔を見合わせた。

やはりあの塔には、人がいるのだ。

「きっとミシアだぜ」

若武くんが、目を輝かせた。

「風邪薬作戦で、今夜、塔にのぼろう。万能キーオープンは?」

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mio - 返信ありがとうございます!あまり無理をしないでガンバってください!! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - mioさん» コメントありがとうございます!更新はもうしばしお待ちください。お話は出来てるのですが、打つのが中々…。それでも、皆さんに少しでも早くお届けするため、がんばっております。これからもよろしくお願いします! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください!応援しています!! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 忍大好きマンNさん» コメントありがとうございます!皆様の応援を糧に、精一杯がんばっていきます。これからも読んでいってください。 (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ももりんごさん» コメントありがとうございます!返信遅くなり申し訳ありません。そこまで言っていただき、本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね♪ (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年2月21日 13時

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