381話 ページ35
私たちは困って、顔を見合わせた。
あの時はどうしようも無かったと思うけど…。
「リサーチ料を取れなかったのは、相手が悪質だったからだよ」
最初に口を開いたのは、上杉だった。
「次回からは最初に、つまり調査を依頼された時に取るようにすればいいんだ」
これには、みんながうなずいた。
機嫌の悪い若武くんも文句のつけようがなかったようで、ブスッとしたままで口を開いた。
「次」
そう言って、上杉の隣にいた黒木くんに目を向ける。
「黒木は？」
にらまれて黒木くんは、少し首をかしげた。
「反省するようなことは、とくには、なかったと思うよ」
そうよね。
隣の小塚くんもうなずいている。
「問題があったとすれば」
そう言って黒木くんは、あでやかな感じのするその目に、一瞬、からかうような笑みをふくんだ。
「何がなんでも注目を浴びたいって思っている若武先生の、その思考回路にあるんだと思うな」
上杉がクッと笑いだし、肩をゆすって大爆笑。
立花さんや小塚くんも、クスクス笑っている。
「オレのせいかよ」
若武くんは、ガタッといすを鳴らして立ちあがった。
「黒木、おまえ、オレのせいにするのか」
久しぶりの激怒に、黒木くんは大人びた笑いをうかべた。
「マジになるなよ。ちょっとからかっただけじゃないか」
それでも、若武くんはおさまらない。
「おまえらも、そう思ってるの？」
黒木くんから目をそらして、私たちを見まわす。
「オレのせいだって？」
まぁ、たしかに若武くんがその思考を捨てさえすれば、丸く収まりそうだけど。
上杉が冷ややかな目で、口をひらいた。
「ああ、おまえのせいだよ。オレは、新聞やテレビに出る必要なんか、ないと思ってる。目立たなくたっていい。事件を解決して、リサーチ料を取れればKZは成り立つ。そのうちに口コミで、事件だって持ちこまれるようになる。それで充分だ。あんまり忙しくなっても、やってられないし」
『そうね。それに、探偵としては目立たないに越したことは無いわ。調査をしている段階で身元が割れれば、対象人物に逃げられてしまうかもしれない。逆恨みにあって、危険な目に合う可能性だってあるわ。地道が一番よ』
瞬間、若武くんが爆発するかのような大きな声で言った。
「ああそうかよ。わかった。じゃオレは、これでKZをぬけるよ。おまえら、勝手にすればいい」
立花さんは凍りつき、小塚くんも息をのんでいる。
若武くんは上杉と私をにらみ、上杉はそれに応戦。
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mio - 返信ありがとうございます！あまり無理をしないでガンバってください！！ (2020年3月16日 14時) (
レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - mioさん» コメントありがとうございます！更新はもうしばしお待ちください。お話は出来てるのですが、打つのが中々…。それでも、皆さんに少しでも早くお届けするため、がんばっております。これからもよろしくお願いします！ (2020年3月14日 14時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください！応援しています！！ (2020年3月14日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 忍大好きマンＮさん» コメントありがとうございます！皆様の応援を糧に、精一杯がんばっていきます。これからも読んでいってください。 (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ももりんごさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません。そこまで言っていただき、本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね♪ (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年2月21日 13時
