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377話 ページ31

「とにかく」

そう言って、その場のムードを切りかえたのは、小塚くんだった。

「ここにいてもしょうがないよ。城に戻ろう」

私たちは、ほっとしながらうなずいた。

「おい若武、行こう」

黒木くんが言い、グズグズしている若武くんの肩を抱きよせる。

「もっとデカい事件が、また見つかるさ」

若武くんは信じられないといったように黒木クンを見あげ、その胸をバンとたたくと、何も言わずに歩きだして先に立った。

私たちはみんなで、急いでその後に続いた。

「今日は、帰国日だぜ。今日までにちゃんと解決させたんだから、オレたちはうまくやったんだよ」

「何がうまくやった、だ」

若武くんがふり返り、うらむような目でこちらを見た。

「オレたちの大活躍は、新聞にもテレビにも出ないし、おまけにリサーチ料も取りそこねたんだぞ」

上杉は、ため息をついた。

「おまえ、しつこいよ」

若武くんは、ぷいっと横を向き、それからというもの城に着くまで、ひと言も口をきかなかった。

「あ、すねちゃった」

小塚くんが言い、私たちはクスクス笑った。

城に近づくと、あたりには警察の車が何台も止まっていて、制服を着た警官や、私服の刑事が大勢いた。

「ちょっと君たち、ここは通れないよ」

警官にそう言われて、若武くんは、ギロッとにらんだ。

「若武先生、不機嫌だな」

黒木くんが言い、上杉が笑った。

「例の、目立ちたい病さ」

そのうちに門のむこうが騒がしくなり、やがて門をくぐってナルボンヌ刑事と、あいつが姿を見せた。

私は麦畑の方をふり返る。

私が前世で関わっていた[黒蛇]は、結局どうなったのだろう。

捜査を最後まで見届けることは、できなかったな。

「ああ、君たち」

警官が近づいてきて言った。

「君たちを送るように、カルディナルさんから言われている」

みんなが、ポカンとする。

「カルディナルさんは、司法警察局麻.薬対策班の班長だ」

まあ、名前だけじゃわからないよな。

黒木くんがクスッと笑った。

「すごい名前だね。カルディナルって、枢機卿のことだよ」

私も初めて聞いたときは、少し驚いたな。

「さ、乗って」

警官がさし示したのはワンボックス型のパトカーで、私たちは全員、余裕で乗ることができた。

フランスのパトカーに乗るのは2度目だったから、今度は若武くんも、前ほどはしゃがなかった。

「今回、いちばん活躍したのは、黒木だよな」

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mio - 返信ありがとうございます!あまり無理をしないでガンバってください!! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - mioさん» コメントありがとうございます!更新はもうしばしお待ちください。お話は出来てるのですが、打つのが中々…。それでも、皆さんに少しでも早くお届けするため、がんばっております。これからもよろしくお願いします! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください!応援しています!! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 忍大好きマンNさん» コメントありがとうございます!皆様の応援を糧に、精一杯がんばっていきます。これからも読んでいってください。 (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ももりんごさん» コメントありがとうございます!返信遅くなり申し訳ありません。そこまで言っていただき、本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね♪ (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年2月21日 13時

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