376話 ページ30
【そうだな…。君は、薊の花のように、ただそこにあるだけではない。強さと頭脳を持ち合わせ、己の大切なものに害をなす存在には、容赦なく牙をむく。強者たる孤高の存在…[狼少女]といったところか】
狼…。
『ずいぶん高く評価してくれてるのね』
【ぜひまた、ご一緒したいものだね】
『そうね…。リーダー若武の許可が出れば、いいわよ。あなたに言わせれば、私は[狼少女]。リーダーへの忠誠心も、多少持ち合わせてるわ。私は孤独じゃない、探偵チームKZ所属の桜田Aだから』
【…覚えておこう。ああ、それと女の子がもう1人いるね。その子に、電話をかわってくれないか】
黒木くんが立花さんに携帯電話をさし出す。
狼少女…、わりと嫌いじゃないわね。
立花さんとラングの会話が終わり、再びハンズフリーになる。
【あの城は、すでに司法警察と都市警察が包囲している。まもなくナルボンヌ刑事が、ミシアに向かって逮捕状を読みあげるだろう。罪状は、ラングの殺.害容疑だ。君たちは、巻きこまれないように避難していてくれ。くれぐれも事件の中に飛びこんで、武勇伝を作ろうなどとは思わないように】
ラングにそう言われて、若武くんはちっと舌打ちした。
やるつもりだったんだな。
【麦角の栽培場所を教えてもらえるかね。すぐ現場を確認し、予審判事に連絡して、その容疑でも逮捕状を取るから。あ、それからミシアが今、誰に化けて、なんと名のっているのかも聞かせてくれ】
黒木くんは、それらを教えて電話を切った。
「おい、黒木、おまえ、いいとこを全部、教えちまったよな。それじゃ何もかも警察に持ってかれるじゃないか。オレたちの活躍は、誰の目にもとまらないってことになる」
若武くんは、情けなさそうな顔になった。
「KZの海外進出は、幻に終わるのかよ。こんなでっかい事件に出会って、それをほぼ解決したってのに、なんの評価も得られないのか。オレたちなんか、あの列車の中で死を覚悟したんだぜ。そのくらいがんばったのにさ。ここに来たのは、なんのためだったんだよ」
切々と訴える若武くんに、私たちは困りはてた。
気持ちが全く、わからないではないけど…。
「若武、おまえ、どうしたいわけ？」
上杉が聞くと、若武くんはふっと考えこみ、それから力なく言った。
「もう、どうしようもないんだろ。わかってるよ」
すっかりオチこんでしまった若武くんに引っぱられて、全員が暗い雰囲気になった。
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mio - 返信ありがとうございます！あまり無理をしないでガンバってください！！ (2020年3月16日 14時) (
レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - mioさん» コメントありがとうございます！更新はもうしばしお待ちください。お話は出来てるのですが、打つのが中々…。それでも、皆さんに少しでも早くお届けするため、がんばっております。これからもよろしくお願いします！ (2020年3月14日 14時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください！応援しています！！ (2020年3月14日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 忍大好きマンＮさん» コメントありがとうございます！皆様の応援を糧に、精一杯がんばっていきます。これからも読んでいってください。 (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ももりんごさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません。そこまで言っていただき、本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね♪ (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年2月21日 13時
