362話 ページ16
ゆるやかな坂道をのぼると、そこで道は二手に分かれていた。
あいつらは、左手にある、細く急な坂道をのぼりはじめる。
『これ、湖への道よね』
「ああ。線路から見おろした時、こっち側に見えてた」
こんな時間に、何をするつもり。
あいつは、いく度もそのバッグを道に下ろし、力を入れなおしては、かつぎ上げた。
２人は湖のほとりまで来ると、そこにあったボートに乗りこんだ。
湖の中へと、こぎ出していく。
『あのバッグを処理しに行ったんでしょうけど…』
「スコップを持ってたな」
とにかくみんなに合流すべく、私たちも速度をあげる。
「あの袋の中を見れば、連中のたくらみも、ミシアのことも、一発でわかりそうな気がするんだけどな。ジャンたちがあれを捨てて帰ったあと、オレたちで引き上げるってのは、どうだろ」
「ムリだよ。こんな大きな湖じゃ、バッグがどこに沈んでるかわからないもの。レスキューでも出動させて底をさらわないと」
その瞬間、上杉が声を上げる。
「そうでもないぜ」
みんながびっくりしてふり返る。
「ジャンたちの跡をつけている時、その後ろからオレたちにつけられてるとは思ってなかっただろ」
立花さんと若武くんと小塚くんは、同時に言った。
「上杉、大丈夫かっ？！」
「起きていいの？」
「来てくれて嬉しいけど、また倒れるんじゃないかって心配だよ」
上杉は、軽く笑った。
「よく寝たから、もうマジ平気。それより考えてみろよ」
自信たっぷりりなほほえみを見せて、湖の半ばあたりを指さす。
「この湖の中には、浮き島がある。そしてムッシュXは、スコップを持っていた」
「じゃ、掘りだせるじゃん」
若武くんが言うと、上杉はうなずいた。
「連中が作業を終えて戻ってくるのを待とう」
それで私たちは、あいつらが戻ってくるのを待つことにしたのだ。
『ボートが動きだしたわ。戻ってくるわよ』
私たちは、木の影に隠れた。
２人がボートから岸に移り、城の方に引きかえしていくのを見送る。
あいつが持っていたバッグは、もうその手になかった。
「やっぱり埋めてきたんだ。行こうぜ」
若武くんがボートに向かって歩きだし、オールをつかんでこちらをふり返った。
「誰か、こげるヤツ、いる？」
「私、やったことない」
「ボクも」
「オレ、こげるけど、まだ病みあがりだからムリ」
『私、こげるわよ。任せて』
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mio - 返信ありがとうございます！あまり無理をしないでガンバってください！！ (2020年3月16日 14時) (
レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - mioさん» コメントありがとうございます！更新はもうしばしお待ちください。お話は出来てるのですが、打つのが中々…。それでも、皆さんに少しでも早くお届けするため、がんばっております。これからもよろしくお願いします！ (2020年3月14日 14時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください！応援しています！！ (2020年3月14日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 忍大好きマンＮさん» コメントありがとうございます！皆様の応援を糧に、精一杯がんばっていきます。これからも読んでいってください。 (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ももりんごさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません。そこまで言っていただき、本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね♪ (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年2月21日 13時
