359話 ページ13
「明日、警察が来れば、当然、塔も捜索するよ。もしあそこにミシアがいるとしたら、今夜中に逃げだすかもしれないな。ジャンたちがその手配をするんだ、きっと」
「ぜったい、逃がさない。リサーチ料を取らなくっちゃ」
みんなでおどろいたように立花さんを見る。
「会計係が、超やる気だ」
『もはや執念ってところ?』
「急にどうしたの?」
「やっと所長であるオレの気持ちをわかってくれたんだよな」
「行動開始は、何時?」
立花さんが聞くと、若武くんがスラスラと答えた。
「オレと桜田が熊男たちの部屋の外で待機して、寝たのを確認する。黒木はジャン、小塚はロゼが部屋に入るのを確かめろ。それぞれの確認ができたら集合して、塔にのぼり、ミシアを見つけてリサーチ料を取る。そのままミシアを塔の中に閉じこめておいて、警察が来たら本当のことを話すんだ。アーヤは、部屋にいてくれ。河で拾ったあのプラスティックの正体を確かめておいてくれると助かる。こっちの準備が終わったら、連絡に行くから」
※※※
また黒木くんが先に食べてくれた夕食を食べ、若武くんとともに熊男が部屋に入っていくのを見届けた。
「よし、窓の外で寝たかどうか探るぞ」
『了解』
しかし外に出てみると、窓に板戸がはまっているようだ。
若武くんは気づいておらず、植えこみの間に隠れてしまった。
少し考えて私も続き、部屋の中に神経を集中させる。
『…もう寝たみたいよ。行きましょう』
「は?え、待てよ」
歩き出してしばらくすると、黒木くんと小塚くんがこちらに向かってきていた。
「ああ、よかった。呼びに行こうとしてたとこだよ」
「何かあったのか」
「若武、気づかなかったの?あいつら、すごいイビキなのに」
若武くんが、訳がわからないというように私を見る。
『あの窓には、板戸がはまってたからね。私たちには聞こえなかったのよ』
「おまえ、何でわかったんだよ」
『部屋の中の男たちの気配が薄まったから。とにかく、立花さんを呼んできてあげて』
はっとしたように若武くんが走っていく。
小塚くんが不思議そうに言う。
「気配とか、どうやったらわかるの?薄まったとかの基準は?」
『神経をとがらせる。あとは慣れね』
それ自体は、前世で覚えたのだけど、ここに来てから、その感覚が今まで以上に戻ってきている。
あいつらと接触したからだろうか…。
立花さんを連れて若武くんが戻ってきて、みんなで塔に向かう。
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mio - 返信ありがとうございます!あまり無理をしないでガンバってください!! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - mioさん» コメントありがとうございます!更新はもうしばしお待ちください。お話は出来てるのですが、打つのが中々…。それでも、皆さんに少しでも早くお届けするため、がんばっております。これからもよろしくお願いします! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください!応援しています!! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 忍大好きマンNさん» コメントありがとうございます!皆様の応援を糧に、精一杯がんばっていきます。これからも読んでいってください。 (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ももりんごさん» コメントありがとうございます!返信遅くなり申し訳ありません。そこまで言っていただき、本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね♪ (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年2月21日 13時