347話 ページ1
若武くんが自分の頭の上にある黒木くんの手をはねのけた。
「オッケ。それでいい。相手は悪党だ。かまやしないさ。じゃ、手順を確認する」
若武くんがみんなを見まわした。
「あの城に入りこみ、ミシアを捜しだすんだ。そしてリサーチ料をぶん取る、その後、あの城を出て、安全なところまで行ってすべてを警察に連絡する。合言葉は、[ミシアは死.んだにちがいない]だ」
黒木くんが少し笑った。
「大事なことを忘れてる。オレたちの時間は、明日のお昼くらいまでしかないってことを、ね。それまでにやるんだ」
とつぜん、タイムリミットが決まって、私たちは緊張した。
「そういえば、もう昼じゃん。朝食っただけだったよな。オレ、腹がすいてくると、気分がウツっぽくなるんだ」
『若武くんはまだいいじゃない。私は食べ物は、アーケードでアイスを食べたぐらいよ。警戒していると、固形物を食べられなくなるから』
その時、後ろから黒木くんの声が聞こえた。
「おい上杉、どうした」
見ると上杉がふらっとして倒れかかり、黒木くんに抱きとめられるのが同時だった。
「上杉っ！」
黒木くんの腕の中で、上杉はグッタリとし、肩を大きく上下させて荒々しい息をくり返していた。
若武くんが、その額に手をあてて叫ぶ。
「熱が、すげっ。60度くらいあるぞ」
上杉、死.んじゃったわね。
『まったく。言わんこっちゃないわね』
上杉に近より、黒木くんから離して背負いこむ。
「おい」
『とにかく[シンデレラの城]に急ぎましょう。万が一だけど、ミシアが逃げる可能性もあるわ。そのためにも、病人は大人しくしてなさい』
若武くんがはっとしたように言う。
「上杉先生の救命、それにミシアの捜索だな。行くぞ」
※※※
「すみません」
若武くんが、門についていたドアフォンを押しながら言い、そばにいた黒木くんが通訳した。
「ボクたち、ミシアさんの館に泊まっている者です。ミシアさんと一緒にシンデレラ特急に乗っていたんですが、列車が故障したので歩いてここまで来ました。ミシアさんは滝に落ちてしまい、行方が知れません。朝から何も食べていないんです。ここを開けてもらえませんか」
言い方は上手いが、食事についてはいらなかったのでは？
「食事のことより、病人がいるって言った方がよかったんじゃないの」
立花さんがそう言っていると、ドアフォンから声が聞こえてきた。
「どうぞ、お入りください」
ガチャリと門のカギの音が響く。
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mio - 返信ありがとうございます！あまり無理をしないでガンバってください！！ (2020年3月16日 14時) (
レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - mioさん» コメントありがとうございます！更新はもうしばしお待ちください。お話は出来てるのですが、打つのが中々…。それでも、皆さんに少しでも早くお届けするため、がんばっております。これからもよろしくお願いします！ (2020年3月14日 14時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください！応援しています！！ (2020年3月14日 14時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 忍大好きマンＮさん» コメントありがとうございます！皆様の応援を糧に、精一杯がんばっていきます。これからも読んでいってください。 (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ももりんごさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません。そこまで言っていただき、本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね♪ (2020年3月11日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年2月21日 13時
