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その2 ページ46

「ハニトラだってわかるのにかわいいって思った…」

『かわいいでしょ?』

「うん…」

Aがクスクス笑っているから、オレも拳を上げる。

「じゃんけんポン」

勝った。

オレは腕を伸ばしてAの肩を抱き、自分の方に引き寄せた。

「もっとこっち来い」

Aは笑顔で何の抵抗もなく、オレの方へ倒れこむ。

近くなった顔に、頬や額にキスしてから、唇へ。

その感触を味わっていると、洗濯機の任務終了の音が聞こえてきた。

けど、オレはまだ離す気は無い。

Aが呆れたように目を開けるのと同時に、オレの口も開かれた。

…1分後には足腰の立たなくなったオレが、絶対真っ赤であろう顔を両腕で隠しながら、肩で息をしていた…。

息を整えていると、ドアホンが鳴った。

『貴和、動ける?動けるなら出てくれる?』

動けるようにはなってたオレは、玄関まで行ってドアを開けた。

「桜田さんですか?」

「はい」

「お届け物です。サインか判子、お願いします」

渡されたボールペンで桜田と書いて、荷物を受け取った。

桜田貴和…。

悪くないけど、オレには無理な話だ。

『荷物、誰からだった?』

階段の上からのAの声にせかされて、送り主を見る。

「…電子工業会社の若社長だよ」

『ああ、三船さんね。何て?』

「食品だって、冷蔵で来てるよ。送り返していい?」

『逆になんでいいと言うと思ったのよ』

カーテンを干し終え、シーツを洗濯機に放り込んだAはキッチンでその荷物を開けた。

『さくらんぼだわ。大きいし、甘そうよ』

パッケージを開けて2つ洗い、その片方をオレに差し出してきた。

これって言ってしまえばAへの貢ぎ物だよな…。

微妙な心持ちで食べたのに、そのさくらんぼは驚くほど甘かった。

『美味しいわね。後でお礼の連絡入れなきゃいけないわね』

「そうだね」

まぁ感謝の気持ちは大事だよね…。

その時、オレの頭の中でよく女の子の話題になることを思い出した。

「ねぇ、さくらんぼの茎を口の中で結べる?」

『たぶんできると思うわよ。やったことないけど』

「やってみようよ。せーので口に入れて、競争」

これでうまくいけばAのキステクの謎が解けるだろう。

「せーの」

2人そろって茎を口の中に入れた。

Aに勝てたことはないけど、オレだって多少の心得はある。

その3→←特別企画 美桜様リクエスト 甘々カップル



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きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» リクエスト更新致しました!これからもぜひ、お気軽にリクエストしてください。ありがとうございました! (2020年6月23日 6時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 早っ(笑) 了解です。ありがとう (2020年6月22日 21時) (レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» 了解しました!おそらくどちらも続編の方で更新となるので、連絡致しましたらそちらへ飛んでください。リクエストありがとうございました! (2020年6月22日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 忙しい所すみまん。もう1つリクエストさせていただきます。優先順位はきょっちーさんの好きな方で宜しいのですが、清香ちゃんがぶりっこになって黒木君やkz メンバーを驚かせる、というのです。理由やきっかけはお任せします。すみません、宜しくお願い致します。 (2020年6月22日 21時) (レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» 了解しました!清香ちゃんのあることから、もしかしたら想像とは違ってしまうかもしれませんが、精一杯書かせていただきます! (2020年6月22日 13時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年12月9日 14時

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