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その2貴和side ページ35

次の瞬間、パンッという音をさせて、両手で顔が挟まれていた。

『1回落ち着きなさい!』

Aの声が、あいつらの声をかき消した。

『…落ち着いたわね。とりあえず、ナンパ待ちじゃないわ。スマホに連絡しなかったのも、髪を下ろしてるのも、開成にいたのも理由があってよ。とりあえず座りましょう』

オレの顔から手を離して、そっと手を繋いで誘導される。

その腕には、オレの手形に赤い痕がついていた。

ベンチに並んで座ると、Aが話し始めた。

『とりあえず、これを見てちょうだい』

Aが差し出してきたのは、おそらくAが使っていたスマホ。

だが、画面にヒビどころか、本体までかなりへこんでしまっている。

『移動教室の時に、階段から落ちそうになった子をかばったのよ。私は受け身を取ったから、アザもできてないけど、2人分の体重がかかったスマホがこうなっちゃって。電源すらつかないわ。髪を結んでたゴムも、その時切れたのよ。で、どうせなら貴和に機種変付き合ってもらおうって思って、あそこで待ってたのよ』

話を聞いてみると、何ともAらしい理由だった。

『あなたこそ、急に走り出してどうしたの』

Aを横目で見ると、痕が少し青みがかってきていた。

「…嫉妬したのかも。他のヤツらがAについて話してて、声もかけられてて。100パー無理な話だけど、Aの魅力を知ってるのは、オレだけでいいって思っちゃったんだ…」

嫉妬なんてカッコ悪い。

前のオレだったら、絶対に無かった感情なのに。

Aがオレの肩にもたれ掛かってくる。

『そんなの、お互い様よ。私だって女の元に行って欲しくないって思うことだってあるし。貴和が寝てるときに電話がかかってきたら、スマホをクッションの下に隠すなんてしょっちゅうよ』

アレ、Aがやってたのか。

『嫉妬って、相手を大事に想ってるからこその感情だと思うわ。恥ずかしいことじゃない。少なくとも、私は嬉しかったわよ。それにあの人たちが見てたのは外見だけ。私の中を知ってるのは、貴和だけよ』

オレもAにもたれ掛かる。

「…ありがとう。腕、ごめんね。機種変して、帰ったら湿布貼ろう」

今はもう少し、このままで。



松平茶月!様、リクエスト本当にありがとうございました!

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きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» リクエスト更新致しました!これからもぜひ、お気軽にリクエストしてください。ありがとうございました! (2020年6月23日 6時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 早っ(笑) 了解です。ありがとう (2020年6月22日 21時) (レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» 了解しました!おそらくどちらも続編の方で更新となるので、連絡致しましたらそちらへ飛んでください。リクエストありがとうございました! (2020年6月22日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 忙しい所すみまん。もう1つリクエストさせていただきます。優先順位はきょっちーさんの好きな方で宜しいのですが、清香ちゃんがぶりっこになって黒木君やkz メンバーを驚かせる、というのです。理由やきっかけはお任せします。すみません、宜しくお願い致します。 (2020年6月22日 21時) (レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» 了解しました!清香ちゃんのあることから、もしかしたら想像とは違ってしまうかもしれませんが、精一杯書かせていただきます! (2020年6月22日 13時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年12月9日 14時

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