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オレが大好き 黒木side ページ22

いつも通り家に入り、Aの作業部屋に向かうが、もぬけの殻。

リビング、キッチン、Aの部屋と見ていくが、やはりいない。

書斎にはいると、やっと奥の方から物音がする。

「A、何してるの?」

『父さんから頼まれて、事件の資料をまとめたファイルを探してるんだけど、見つからないのよ』

「どんなやつ?」

『出席簿みたいな見た目で、No.96って白で書かれてるの』

…どこかで見た気がする。

「…あ、そうだ。この間、Aが部屋で見てなかった?KZで出くわした事件に、似たようなのが載ってるから参考になるかもって」

『きっとそれよ!ごめんなさい、ちょっと散らかしちゃってすぐには動けそうにないの。机の引き出しに入ってるから、取ってきてくれないかしら?』

「了解」

Aの部屋に再び入り、机の引き出しを順に開けていく。

二段目を開けると、中には大量のオレの写真。

しかもどれも撮られた覚えがない。

とりあえず手に取って見てみると、どれもわりと最近のものだ。

『貴和?見つからないようなら、違う場所に移したのかも…』

Aはそう言いながらドアを開け、オレが写真を持っている状況に一瞬硬直した。

『た、貴和…。それは…』

「あ、いや。ファイルを探してたら、偶然」

って、なんでオレが言い訳してるんだろ。

「えっと、これ何?」

Aは言いにくそうに口ごもっている。

「別に怒ってるわけじゃないよ。話してみて?」

うつむいてまだしばらく口ごもり、急にがばっと顔を上げてもはや叫ぶ勢いで言った。

『私の宝物よ!黙って撮ったのは悪かったわよ!』

開き直ってるが、ガチの赤面だ。

Aのガチの赤面は、初めて見た。

Aは身をひるがえし、どこかに走っていった。

多分そのまま作業部屋に引きこもるつもりだろう。

写真を戻して、後を追うために部屋を出る。

オレは、自分で思っている以上に愛されているらしい。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
大分短くなってしまいました。
バレンタインネタは原作にあるのでふたりの番外編にしてみました。
楽しんでもらえたら嬉しいです。

猫の日黒木side→←その2上杉side



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きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» リクエスト更新致しました!これからもぜひ、お気軽にリクエストしてください。ありがとうございました! (2020年6月23日 6時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 早っ(笑) 了解です。ありがとう (2020年6月22日 21時) (レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» 了解しました!おそらくどちらも続編の方で更新となるので、連絡致しましたらそちらへ飛んでください。リクエストありがとうございました! (2020年6月22日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 忙しい所すみまん。もう1つリクエストさせていただきます。優先順位はきょっちーさんの好きな方で宜しいのですが、清香ちゃんがぶりっこになって黒木君やkz メンバーを驚かせる、というのです。理由やきっかけはお任せします。すみません、宜しくお願い致します。 (2020年6月22日 21時) (レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» 了解しました!清香ちゃんのあることから、もしかしたら想像とは違ってしまうかもしれませんが、精一杯書かせていただきます! (2020年6月22日 13時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年12月9日 14時

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