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特別番外編その1黒木side ページ14

夜の繁華街。

雨が降りしきる中、オレはひとり立っていた。

けれど、雨の感触や冷たさは感じない。

頭のどこかで、これは夢だとわかった。

しばらく歩いてみると、ビルに挟まれた路地に、一人の女性がたたずんでいた。

近づいて女性の前に立つ。

黒髪のショートボブ、長身で鈍色のパンツスーツを着て、下を向いている。

「あなたは誰ですか。なぜ、オレの夢に?」

女性は下を向いたまま、小さく言った。

「あなたに会いたかったから」

「オレのことを知ってるんですか?」

「私は知らない。でも、あの子は知っている」

「あの子というのは、オレの知ってる子ですか?」

「そう」

そう言ったきり、黙ってしまった。

このままここにいるのも、と思って路地から出ようと方向を変えると、

「一人ぼっちはいや。いっしょにいたい」

「なら、オレといっしょに来ますか?」

「それは出来ない。だから、あの子の所へ行ってあげて」

頭の中がだんだんと霧がかってきた。

最後に見た女性は、顔を上げて笑っていたが、顔の右半分は赤く焼けただれていた。

※※※

まぶたを開けると、いつものオレの実家の部屋の天井が見える。

けれど、なんとなく行かなくちゃと思って、着替えて家を出た。

向かった先は、オレの新しい家。

家に入って、何かに導かれるように彼女の部屋ではなく、作業部屋に向かう。

中に入ると、Aが頭に毛布を被った状態で、机の下に潜りこんでいた。

こうなっているときは、すねていたり何か悲しいことがあったりと、とにかくあまりいい傾向ではない。

「A」

近づいて床に座った状態で話しかけると、のっそりと出てきて、オレに抱きついてくる。

その力も弱く、何かあったことは明確だ。

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きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» リクエスト更新致しました!これからもぜひ、お気軽にリクエストしてください。ありがとうございました! (2020年6月23日 6時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 早っ(笑) 了解です。ありがとう (2020年6月22日 21時) (レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» 了解しました!おそらくどちらも続編の方で更新となるので、連絡致しましたらそちらへ飛んでください。リクエストありがとうございました! (2020年6月22日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 忙しい所すみまん。もう1つリクエストさせていただきます。優先順位はきょっちーさんの好きな方で宜しいのですが、清香ちゃんがぶりっこになって黒木君やkz メンバーを驚かせる、というのです。理由やきっかけはお任せします。すみません、宜しくお願い致します。 (2020年6月22日 21時) (レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» 了解しました!清香ちゃんのあることから、もしかしたら想像とは違ってしまうかもしれませんが、精一杯書かせていただきます! (2020年6月22日 13時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年12月9日 14時

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