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254話黒木side ページ8

皆は急いで外に出た。

俺も出ようとすると、若武が俺の腕を掴んできた。

「本当は黙っててくれって言われてたんだが、俺がこんなことになっちまったから言っておく。昨日、桜田が何か危ないことを一人でするって聞いたんだ。今日来れなかったのもそのせいだ。あいつはもしもの時は警察を呼べって言ってた。その判断は、今この瞬間からお前に任せる」

若武は桜田の具体的な目的を知らなかったのか。

「桜田はこの家のどこかにいる。洗濯機の中に桜田の服が入ってた」

若武は驚いた顔をしたが、すぐ不敵に笑った。

「じゃあ絶対に助け出せよ。惚れた女一人守れないような奴は、KZにはいらねえからな」

「ああ。言われなくても必ず助ける。だからもう寝ろ」

若武は笑って、安心したように眠った。

俺は静かに部屋を出て電気を消した。

「じゃ、吉野を家に入れるぞ。火炎ビンを投げた訳、それにここに来た目的を聞きだすんだ。俺と上杉で相手をする。アーヤと小塚は隣の部屋から様子を見てて。帰ってくる小梅さんにも気をつけていてくれ。いいね」

2人は頷いた。

「どこを使う?」

上杉の質問に素早く答える。

「2階の真ん中の部屋だ。隣の南側の部屋とコネクティングになっていて、その窓から門への道を監視できる」

「俺が玄関に出る」

出ていきかけた上杉を呼び止める。

「何か道具を持ってるかもしれない。充分気をつけろよ」

上杉は親指を立てて片目をつぶった。

「任せろって。俺は若武先生みたいにマヌケじゃないよ」

「僕窓から道を見張る。アーヤは隣の話を記録してよ」

小塚に言われて、アーヤは真ん中の部屋との間にある壁に近よっていく。

俺は真ん中の部屋に入り、廊下へのドアを開けた。

「どうぞ」

上杉と一緒に吉野が入ってきた。

「俺ばあさんに用があるんだけど」

吉野の声は落ちつきがなく、どことなくオドオドとしていた。

「今出かけているんです。僕らがご用件を伺います。留守を預かっているので。ご用件は何ですか。」

俺が言うと、吉野はテーブルの上に身をのり出した。

「じゃ、お前らも一枚かんでるのかよ」

目つきも言葉使いも急に獰猛になった。

オドオドとした感じは一気に消え去った。

上杉と素早く視線を交わし合う。

上杉もここは素直に言った方がいいと思ったらしく、言った。

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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます!次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません!繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます!駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます!ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年11月30日 15時

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