292話 ページ46
若武君と上杉、小塚君は言葉がわからないものの異変を感じているみたいで、それがはっきり掴めないことに苛立っていた。
「どうなってるんだ」
若武君に言われて、黒木君が素早く答える。
「この男性が自分はラングだと言い張ってるんだ。ミシアは見たこともないと言っている」
3人は目を見張った。
上杉がふっと笑う。
「おもしれーじゃん」
そこに2人のメイドさんが、大きな銀のトレーを持ったりワゴンを押したりして入ってきた。
しかしその場はもう、なごやかに昼食を食べるような雰囲気ではなくなっていた。
「ミシア様、どちらにセッティングいたしましょうか」
そう聞いたメイドさんに、ミシアは飛びつかんばかりにして言った。
「いいところに来てくれたわ。この男が自分はラングだと言い張っているの。そうじゃないって言ってやってちょうだい。そして追いだして」
メイドさんはちらっとラング(仮)の方を見た。
そして困ったように目を伏せ、小さな声で答えたのだった。
「ミシア様、その方はラング様でございます」
メイドにも手回し済みか。
後ろでは立花さんと黒木君が話し合っている。
「じゃ、ラングは生きていたの？」
「かもしれないね。でも今の状況ではそうとも言いきれないと思うけど」
若武君ががまんできないといったように体を寄せていく。
「なんだって？」
黒木君が状況を教え、若武君が上杉に、そして上杉が小塚君に伝えた。
「あなた…」
真っ青になったミシアがメイドさんを睨む。
「この男とグルなの？買収されたのね。そうでしょ？」
メイドさんは俯いたまま顔を上げなかった。
ミシアはもう1人のメイドさんの傍に寄っていく。
「あなたはどうなの」
その人はまだ若いようで、泣きだしそうになりながら答えた。
「ミシア様、しっかりなさってください。その方はラング様に間違いございません」
ミシアは咄嗟に手を上げてそのメイドさんの頬を打とうとする。
走り寄ってその手を掴んで止める。
「離して。許せないわ。ウソばっかり言って」
この力の強さ、もしかして…！
突破されそうになり、反射的に足払いをかけた。
倒れたミシアを見てラング(仮)は大きなため息をつき、それから思いついたように隅のテーブルに歩み寄った。
そこに置いてあった電話機を手に取る。
「私だ。すぐ食堂まで来てくれ」
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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます！次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします！ (2019年12月6日 7時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません！繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます！駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください！ (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます！ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2019年11月30日 15時
