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291話 ページ45

「ミシア、お帰り」

男性はそう言った。

「聞きたいことがあるんだけどね」

そう言いながら手にしていた用紙を振ってみせる。

「これは一体何の真似なんだい」

ミシアは見る間に眉の間にタテジワを寄せた。

「あなた誰?この家にどうやって入りこんだの」

皆が驚いたように顔を見合わせる。

「さっさと出ていってちょうだい。行かないと警察を呼ぶわよ」

男性は困ったように笑って、ミシアに手を伸ばした。

「おいミシア、突然私の顔を忘れたって言うのかね。まさかそんなはずはないだろう。悪い冗談はやめてくれ」

ミシアはそれを払いのけた。

「あなた頭が可笑しいんじゃない?私はあなたなんて全然知らないわよ。今まで会ったこともないわ」

男性は途方にくれたような顔つきになった。

「はて、困ったな。私は自分の家で、自分であることを証明しなければならないのか」

ミシアはすっと青褪めた。

「自分の家って…あなた、自分がラングだとでも言うつもりなの?」

男性は肩をすくめた。

「私はラングだよ。生まれて57年間、ずっとラングと名乗ってきている。ミシア、お前と3年前に出会った時だってそうだっただろ」

…なるほど、そういう手に出たのか。

「ミシア、私は心臓が悪いんだ。悪ふざけはそろそろ止めてくれないか」

ラング(仮)は深刻な顔つきになり始める。

「気分が悪くなってくる」

ミシアは驚きと怒りで取り乱した声を出した。

「あなたはラングなんかじゃないわ。顔だって全然違うじゃない。一体何のつもりよ。ラングは死.んだのよ。病院で息を引きとったのを、私この目で見たんだから。明後日にはお葬式なのよ」

ラング(仮)は大きく首を横に振った。

「何を言っているのか、さっぱりわからないね。私はこの通り生きているよ。だがそんなことを言うところをみると、ミシア」

そう言うとラング(仮)は、手に持っていた用紙を差しだした。

「これはお前が書いたのか」

広げられたその用紙には、[死.亡届け]と書かれていた。

下の方には[医師の証明]という欄があり、サインがされている。

「医師のサインを偽造して、私の死亡届を出すつもりだったのかね。まだ生きているというのに。カナールが言っていた通り、お前は私を死んだことにして財産を手に入れようとしていたのか」

皆は顔を見合わせた。

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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます!次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません!繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます!駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます!ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年11月30日 15時

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