274話 ページ28
若武君は同意を求めようと顔を上げ皆を見回し、私で視線を止めた。
「待てよ。エマ・メルシエってフランスとのハーフだったよな。薊の少女もクオーター設定だったし」
『ええ、そうよ。忘れてたの?灰色の瞳なんて目につくと思うんだけど。私もフランス語を話せるわ』
立花さんは安心したように言った。
「じゃあ私が通訳する必要ないでしょ。桜田さんがいるんだから」
『それはムリよ。事件を見つけて解決する。これを3日でやろうと思ったら、必ず別行動する時がくるわ。それなのにフランス語が分かるのが私だけじゃ困るでしょ』
立花さんは途方に暮れていた。
その日はそこで解散となった。
私はこの後の用事のため、黒木君と家に向かう。
『フランス語のこと言わなかったわね。話せるんでしょ?それは別に咎めないけど、立花さんの方はどんな策を?』
「藤堂さんに頼むことにした」
『なるほど、あの人なら安心ね』
「桜田も俺のこと言わなかったよね。何で?」
『あなたが言わなかったから。あなたが考え無しに行動するとは思えないもの』
「そっか。ありがとう」
※※※
家に着くと簡易三脚に私のスマホを固定。
テレビ電話でかけると向こうはすぐに出た。
【もしもし、そっち大丈夫かな?】
『ええ、大丈夫よ。映ってるわ』
【黒木君は久しぶりね】
「はい、お久しぶりです。エマさん、総一郎さん」
この時間は合宿資料の読み合わせをすることになっていた。
その後で改めて印かんをもらうのだ。
黒木君がいるのは二人が話したいと言っていたから。
もちろん黒木くんの意思も確認したけど。
合宿の日付に変更が無いことを言うと、二人は残念そうに言った。
【その週はイタリアに打ち合わせに行くことになってるのよ】
『じゃあちょうど入れ違いになっちゃうのね』
少しの時間でも会えないかと思ってたから、確かに残念だ。
【黒木君とも会いたかったな】
「そうですね。でもまた機会はありますよ」
そんな感じで読み合わせが終わると、母さんが思い出したように口を開く。
78人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます!次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません!繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます!駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます!ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きょっちー | 作成日時:2019年11月30日 15時