294話 ページ48
「ミシア・カミュですが、ミョー先生をお願いします」
カナールがバカにするように言った。
「今度は弁護士か」
しかしミシアのがっかりしたような声がした。
「夏のバカンスにお出かけなんですか。どちらに？まぁフィンランド…。お帰りは？え、１ヶ月も行ってらっしゃるの。連絡は取れないんですか。仕事から離れたいから連絡しても出ないと言われているって…そうですか」
カナールがまた笑う。
「お気の毒に」
ミシアは電話を切り、力つきたといったように傍のソファに腰を下ろした。
「大丈夫かい、ミシア」
ラング(仮)が言った。
「あまり興奮するからだよ。今日は早く休みなさい」
ミシアは顔を上げ、ラング(仮)を睨む。
「出ていって」
ラング(仮)は肩をすくめ、カナールに目で合図をした。
「行こう、カナール。今は何を言ってもダメみたいだからね。あ、ミシア。この死.亡届けは、破らせてもらうよ」
ミシアははっとしたように顔を上げた。
「医師のサインは偽造なんかじゃないわ。本物よ。ラングの死.亡を確認した医師が書いたのよ。ラングは本当に死.んだんだから。明後日、お葬式が終わったらそれを市役所に出して記者会見するのよ、返して」
ラング(仮)はふっと笑った。
「生きているのに死.亡届けを書かれるなんて、まったく油断も隙もないね」
そう言いながら、死.亡届けをビリビリと破り捨てる。
「お前を養女にしたのは間違いだったようだ。だが気がついてよかったよ。行こう、カナール」
ラング(仮)はカナールを促し一緒に食堂を出ていった。
ミシアは悔しそうにそんな2人を睨んだ。
「そもそもラングとカナールがあんなに仲良くしてるとこなんて、今まで見たことなかったわ。絶対仲間よ。私をおそった男ともグルなんだわ」
しかし、刑事や弁護士がそろって不在とは…。
仕組んだのはラング(仮)だろうが、そこまでの手回しができる人物。
もしかして彼は…。
黒木君に通訳してもらっていたらしい若武君が呟いた。
「ミシアに俺達はもう帰るって言えよ」
…どこからその悪知恵が湧くんだか。
黒木君も頷いきミシアに顔を向けた。
「僕達も失礼します。そろそろ戻らないと行けないので」
ミシアは縋り付くような目で、私達を見回した。
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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます！次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします！ (2019年12月6日 7時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません！繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます！駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください！ (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます！ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2019年11月30日 15時
