13話 ページ37
「実は入学式の日に告白されたんだ。それで今日の夕方会う約束をしてたんだけど、この顔じゃ会えないだろ。今朝電話で断ったら、訳を聞かれたんだけど言えないじゃん。顔が発疹だらけだなんて言えるかよ。それで訳は言えないって答えたら、フラれたんだ」
いかにも悔しそうな若武君の顔を見て、皆は大笑いした。
皆いい気味だと思っているんだろう。
皆が落ち着いた時、立花さんが言った。
「じゃ、捜査の手順を決めよ。まず、ハンバーグが作られた場所をはっきりさせることだよね」
立花さんが言うと、若武君は頷いて黒木君を見た。
「これは黒木の仕事だな」
黒木君は対人関係のエキスパート。
驚くほどたくさんの人物と知り合いで、その中から情報を引き出してくる。
「ハンバーグははたして給食センターで作られて学校に運ばれたのか、それとも冷凍食品会社で作られて給食センターを通じて学校に届いたのか」
黒木君はズボンの後ろポケットに手を入れながら立ちあ上がった。
「すぐわかると思うよ。ちょっと待ってて」
携帯電話を取りだしながら外に出ていく。
若武君が感心したように、半ば呆れたように呟いた。
「あいつ、給食センターにも知り合いがいるのか」
上杉がふっと笑う。
「警察にも新聞社にもいるんだ。マフィアとかにもいるんじゃないのか」
「謎だけどとにかくすごいよね」
小塚君が羨ましそうに言った。
「あのコネクションを使えば、働かなくても一生生きていけるんじゃないかな」
立花さんが小塚君に強く頷くと、それを見ていた上杉は黙ったまま静かに目を伏せた。
目元にわずかな影が漂ったように見えた。
「わかったよ」
そう言いながら黒木君が戻ってきた。
「給食センターで作ってるのは生野菜を使うサラダと、スープなんかの汁物だけだって。ハンバーグは、肉の鮮度が問題になるから冷凍食品工場から直送だってさ。冷凍食品工場にはハンバーグ以外のものも発注していて、それぞれが商品名の書かれた箱に入れられて納品されるらしい。ハンバーグに関しては100パーセント牛肉使用のハンバーグという注文をしていて、工場からも100パーセント牛肉ハンバーグと書いてある箱で送られてきているって」
つまり給食センターは牛肉ハンバーグを注文し、それを受けとっているのだった。
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きょっちー(プロフ) - 天愛さん» ご指摘ありがとうございます！しかしそのシーンでは原作の上杉君もアーヤと言っており、何か意味があってそう呼んでいる可能性もあるため、このままでいかせていただきます。コメントやしっかり読んでくださっているのはとても嬉しかったです。これからもお願いします！ (2020年8月14日 22時) (
レス) id: f1276d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
天愛 - 126話の上杉が立花じゃなくて、アーヤって言ってしまってます!確認してみてください(^_^) (2020年8月12日 16時) (レス) id: 74d4bab595 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 麗奈さん» 読んでいただきありがとうございます！夢主ちゃんにとても注目していただき、嬉しいです。ゆっくりではありますが、これからも更新していきますので、これからもよろしくお願いします！ (2019年10月14日 18時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 私は、夢主のセリフがとても好きです。一歩引いた目線から考えたことがないので、さらに考えが深まりました。私は、黒木君推しなのでとても展開が楽しみです。これからも頑張って書いて下さい。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 2e81cd4f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2019年8月29日 18時
