37話 ページ22
若武君が軽い感じに言ってくるが…わかってない。
『花粉症の薬の眠気を舐めないでちょうだい。まるで[眠れば花粉関係ないでしょ〜]なんて理論で作られたんじゃないかっていうレベルなのよ。あんなの飲んで歩けないわ』
「お、おお…。おまえなんか今日荒れてるな」
怒りたくもなるわ…。
今日はあなたに強制的に集合かけられたから来たのよ。
天気予報で今年一番といわれた花粉のなかを。
『ハックション！！そういえば、黒木くんと小塚くんは？』
「黒木に紹介されたところに仕掛けた昆虫用の罠を見てから来るって」
上杉君が箱ティッシュを差し出しながら答えてくれる。
柔らかいティッシュを渡してくれる辺り、上杉君はわかってる。
鼻をかみ、多少すっきりしたところにドアが開いた。
「遅れてごめんね。罠に思ってたよりかかってたんだ」
「ごめん。途中でクッキー買ってきたよ」
黒木君と小塚君が入ってきた途端
『ハッ、ハックション！！クッシュン！！フェックション！！』
「え！？桜田、どうしたの？」
黒木君が心配そうに寄ってきてくれるが、これは多分…。
『ちょっとお願いだから寄らないでっ！』
「え」
私にそんなことを言われたからなのか、黒木君はショックを受けているけど今はそれどころじゃない。
『二人共今までどこにいたのよ！？』
涙目の私に気圧されたのか、小塚君は恐る恐る言った。
「黒木に紹介してもらったスギ林だよ。新田町の外れにある…」
「それだな。二人共とりあえず外で服叩いてこい。その後髪をとかせ。とにかく花粉を落としてこい」
上杉君の適切な指示のもと、二人は出ていった。
『ヘックシュン！！』
「桜田さん大丈夫？止まらないね…」
立花さんが背中を擦ってくれる。
あまりに止まらない様子に若武君も心配そうだ。
「そ、そうだ！換気しようぜ」
「バカ！若」
そう言って窓を全開にした。
上杉君の制止も間に合わなかった。
『フックシュン！！ハックション！！』
「え、あれ？」
「さらに花粉入れてどうする！？このバカ武！」
「とにかく窓閉めてあげて！」
もはや場はパニック状態。
戻ってきた黒木君や小塚君もついていけないようだ。
が、私の一言でその場は更に大変なことになった。
『クッシュン！！…あ、鼻血…』
もともと鼻をかみすぎて弱くなっているところに、この大量のくしゃみ。
当然といってしまえばそうなのだろう。
だがパニックを加速させるには充分だった。
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きょっちー(プロフ) - 天愛さん» ご指摘ありがとうございます！しかしそのシーンでは原作の上杉君もアーヤと言っており、何か意味があってそう呼んでいる可能性もあるため、このままでいかせていただきます。コメントやしっかり読んでくださっているのはとても嬉しかったです。これからもお願いします！ (2020年8月14日 22時) (
レス) id: f1276d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
天愛 - 126話の上杉が立花じゃなくて、アーヤって言ってしまってます!確認してみてください(^_^) (2020年8月12日 16時) (レス) id: 74d4bab595 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 麗奈さん» 読んでいただきありがとうございます！夢主ちゃんにとても注目していただき、嬉しいです。ゆっくりではありますが、これからも更新していきますので、これからもよろしくお願いします！ (2019年10月14日 18時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 私は、夢主のセリフがとても好きです。一歩引いた目線から考えたことがないので、さらに考えが深まりました。私は、黒木君推しなのでとても展開が楽しみです。これからも頑張って書いて下さい。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 2e81cd4f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2019年8月29日 18時
