７話 途中から彩SIDE ページ1
『内容は関係ないと思うわよ。犯人が欲しかったのは、記事ではなく活字だったのよ』
黒木君は、驚いたように私を見た。
「どうして、そんなこと分かったの？」
『図書室で雑誌を見たとき、切り取られた前後のページにインクの染みを見つけたの。その位置も覚えてるわ。そこにある鉛筆取ってもらえる？』
黒木君は鉛筆を私に手渡して、手元を覗いてきた。
さて、犯人はどんな活字で、どんな手紙を作ったのかしら？
作り出した手紙は、私と黒木君の秘密にした。
きっと立花さんも、作り出してくれるだろうからね。
※※※
彩SIDE
図書室に行った次の日、私は小塚君から受け取った情報から、犯人の手紙を再現した。
その手紙は
[こどもは一年たったらかえすけいさつに届ければころす]
という誘.拐と脅.迫の手紙だった。
そして、それができたときには、約束の5時を過ぎていて、今必死に秀明グラウンドに駆けつけたとこだった。
そこではとても奇妙な光景が展開されていた。
初めに私の目に入ってきたのは、グラウンドの端にあるクラブハウスの前に並べられている十数台の自転車だった。
そして、桜田さんがその中の一台に腰かけていた。
桜田さんは一人で、まだ彼らが中にいることを知ってほっとした。
奇妙なことに気づいたのは、その後だった。
その駐輪場の脇に、女の子達が5〜6人、固まって立っていたのだった。
中の一人の子は俯き、ハンカチを両目に当てて、しゃくり上げるように泣いている。
別の子がその肩を抱き、皆でその子を取り囲んで、時々クラブハウスの出入り口の方をチラチラと見ているのだった。
何だろ。
そう思いながら、私は足を止めた。
クラブハウスの玄関に辿り着く為には、その女の子達の前を通らなければならない。
でもなんだか曰くありげに黙りこんでいるグループの傍を１人で通りすぎるのは、とても勇気のいることだった。
きっと皆、一斉に私を見るに決まっている。
そのシーンを想像すると、私は緊張のあまり手足が震えだしてしまいそうな気がした。
できれば通りたくない。
でも、もし若武たちが中でミーティングをしているのだったら、これ以上遅くなるわけにはいかない。
どうしよう！？
その時、ギッと音がしてクラブハウスのドアが開き、中から肩にスポーツバッグを引っかけた黒木君が姿を見せたのだった。
後ろには若武と上杉君がいる。
私は思わず大きなため息をついた。
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きょっちー(プロフ) - レイさん» コメントありがとうございます！惚れましたなんてそんな(///∇///)ありがとうございます！これからも読んでくださいね〜 (2019年8月8日 19時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 甘納豆さん» 返信遅くなってごめんなさい！ありがとうございます。これからも頑張っていきます！ (2019年8月8日 19時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
レイ - きょっちーさん» この小説を読んだ瞬間貴女に惚れました←w 更新頑張って下さい！ (2019年8月8日 18時) (レス) id: fd2024614f (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新頑張ってください！楽しみに待ってます！ (2019年8月7日 20時) (レス) id: a4b65807ec (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ちーさん» コメントありがとうございます！頑張っていくので、待ってて下さいね♪ (2019年8月6日 12時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2019年7月24日 15時
