31話 ページ31
私は肩車状態になっている次元さんに軽く聞いた。
「調子こいてんじゃねぇぞ。下りろ」
次元さんは言いながら、私の腕をつかんで滑り落とした。
『ねぇ、答えてよ。あのビルなら逃走する時も早いわよね』
ビルを指さしながら話すが、次元さんは歩いていってしまう。
『待ちなさいよ』
次元さんはなおも歩きながら言った。
「オレは殺し屋じゃねえ。どっから狙うかなんて、わかんねぇよ」
『パパが殺し屋なんて言ってないじゃない。けど、パパの人差し指の第二間接と、左手の掌にタコがあるわよね?それって、相当リボルバーを使いこんでるって手よね』
そして何より、目の色が、ね。
次元さんは立ち止まり、前を向いたまま低い声で聞いてくる。
「いつ見た?オレは手はいつもポケットの中に入れてるぞ」
『さっき王宮でチラッと』
顔を近づけさせようという行動に、とっさに後ろに飛び退いた。
次元さんは一瞬面白そうな顔をしてから、その場で膝を曲げ、私に目線を合わせながら言った。
「おい、嬢ちゃん。一つだけ言っとくぞ。2度と[パパ]と呼ぶな!」
そして現在、小さなバーの前で言い争いをしていた。
開店中のそこに入りたいと言うのだ。
『ダメに決まってるでしょ?!まだ昼間だし、これから事件現場に行くって言ったわよね?』
次元さんは悪びれることなく言った。
「いやぁ、オレが悪いんじゃねぇ。こんな時間からやってる店が悪いんだ」
『とっても分かりやすいすり替えね』
「心配すんな、一杯だけだ。ほれ」
そう言って1枚のコインを投げてくる。
「日本で言えば500円玉だ。釣りはやるから、ジュースでも飲んでこい」
ここで言い争ってても時間のムダか…。
『一杯だけよ?』
※※※※
ルパンは車を降りて、しばらく歩いた所にあった自動販売機にコインを入れた。
「ったく、王子だけじゃなくて姫様もいるっての。まずはコーラっと」
そうぼやきながらボタンを押すが、コーラが出てくる気配はない。
「何だ?おい、コーラ。出ないぞ、おいコーラ。こんにゃろ金まで返さないとは、どういう了見だ?」
そう言いながら自販機をゆすっていたルパンは、その後ろにAが立っているのに気付いていない。
ルパンは自販機から離れ、指さしながら笑って言った。
「あ、そうか。君がそういう気なら…、計楽思考の一つ、出すっきゃねぇでしょのツボ!とりゃぁぁぁっ」
そう叫びながら自販機の角を叩いた。
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月(ユエ)(プロフ) - はじめまして✨警察官でしたシリーズ、全て読みました!もしかしてシリーズ14以降は執筆しない予定ですか?とっても面白い話なのでもっと見てみたいなというのが本音です。私も小説を書いたりするので、書き方とても参考になりました!ありがとうございます!(´▽`) (4月20日 15時) (レス) id: 554e8a3ec4 (このIDを非表示/違反報告)
あんな - はじめまして!警察官でしたシリーズ、とても面白くて1日で読破してしまいました!私も黒木くん大好きです!我慢しすぎちゃう桜田ちゃんと心配して怒る黒木くんが最高です!これからの黒木くんとの恋模様、楽しみにしてます! (2021年3月10日 19時) (レス) id: 8be13c14ce (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» すみません!忘れていただけで、ルパコナ1は終わっています。2は展開的に書けるようならいつか書ければ…という感じです。しかし、コナンコラボは続きます。今も執筆中ですので、そちらを楽しみにしていただければ嬉しいです! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 続く・・・って、完結じゃ、ないんですか?まだ続くのなら、楽しみにしています。 (2020年7月5日 17時) (レス) id: daa172df0e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!私も書いてみたいお話だったので、とても楽しかったです。最後がおかしくなってしまいしたが…。またお気軽にコメントしてください! (2020年6月21日 20時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年6月21日 12時