43話 ページ43
「1分前になったら、園子さんを連れて避難してください。あなたたちが巻き込まれることはありませんから」
目暮警部は首を横にふった。
「いや、園子さんはともかく、我々は警察だ。君たちを残して行くわけにいかない」
…さすが、総一郎さんと毛利さんが慕ってた人だ。
オレが警察に感謝の念を抱いたのは、初めてかもしれない。
※※※
モニターを凝視しながら、必死でキーボードを叩く。
思いつく限りのあらゆる方法でアクセスしてみるが、ことごとく[エラー]になってしまう。
「9時56分!時間ないで、桜田!」
キーボードを打つ手を止めて、目を閉じる。
何かないの…何か打つ手は…!
そのとき、伊東の手元にあるノートパソコンが頭に浮かんだ。
『…そうよ!』
振り返ってパソコンを見る。
『このパソコン、無線LANを使ってるのよ!』
「あ、ああ、そやな。LANケーブルがついてないわ」
『無線LANがダメになっていたとしたら、直接ケーブルを繋げればイケるかもしれないわ!』
ノートパソコンについていた無線LANの子機を取り外した。
※※※
黒木side
9時57分。
若武が携帯画面でアナログ時計を映し出し、テーブルの上にIDを着けた腕を置いた。
「オレはこのまま爆発しても、桜田を恨みはしない。あいつは絶対に手抜きも諦めもしない。それでダメなら、そういう運命だったんだ。受け入れるさ」
小塚やアーヤもテーブルに腕を置いた。
もちろんオレも置く。
上杉は腕を組んだまま、時計を見つめながら言った。
「まだ3分ある。あいつならきっと、やるはずだ」
誰もこんな事態になったことを怒ってないよ。
桜田ならこう言うだろうね。
私はいいチームメイトを持ったわね。
※※※
「あった!」
ケーブルを見つけた服部くんは、ノートパソコンに繋げた。
が、ケーブルが短く、差し込み口に届かない。
ノートパソコンは電動車椅子のひじ掛けに固定されていた。
『これを動かすのよ!』
私は電動車椅子のスティックレバーを操作して、差し込み口に近づけた。
「もうちょい…、よっしゃ、これで届いた!」
すかさずキーボードを叩く。
すると、画面に[爆破]のページが表示された。
[時間]をクリックすると[解除]の項目が現れた。
そして[解除]をクリックすると、
【パスワードを入力してください】
機械音声と共にパスワードの入力画面が現れた。
「おい、パスワード…おい桜田、こいつ」
伊東は息はしているものの、まったく動かない。
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華菜原 舞衣 - こちらこそです。 (2020年5月27日 12時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» こちらでもコメントありがとうございます!コナンが出てこないのは、その立ち位置に夢主ちゃんがいるからです。なので哀ちゃんや少年探偵団、蘭も出ません。KZのみんなと黒木くんがいるので。「らーんっ!」が「貴和ーっ!」になってます。これからもお願いします! (2020年5月27日 12時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - うぇ〜いこちらも初コメだ〜いっ警察官でした、も、引き続きがんばれぇい!←毎回キャラ崩壊してる人 PSこれってなんでコナンでてこないの? (2020年5月27日 12時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょっちー | 作成日時:2020年5月20日 22時