523話 ページ29
貴和から小さな寝息が聞こえ始める。
先ほど飲ませた紅茶には、眠気が酷い酔い止めを入れていたのだ。
規定の量は守っているから、健康に被害はない。
私は玄関まで下りて、人を待つ。
しばらくして、ドアのノブが動いて家族が帰ってきた。
『お帰りなさい、翔』
※※※
翌日の秀明の休み時間、カフェテリアに皆が集まった。
最後に来た立花さんは、和臣や貴和の状態を見て驚いたように言った。
「皆、無事だって言ったじゃないの」
何せ和臣は、片目の周りが内出血で真っ青。
それに鼻の頭を横切るようにカットバン。
貴和はアゴにカットバン、耳から顳顬にかけて不織布をポリエチレン・シートではさんだ白いパッドを当てている。
私は両方の拳に包帯だ。
和臣と貴和は顔を見合わせた。
「無事だよな」
「ん」
和典が肩をすくめる。
「このくらいだったら、無事の範囲だろ」
貴和の大きいケガは防ぎたかったけどね。
和臣が気を取り直したように言う。
「じゃ全員そろったから、KZリサーチ会議を開く。アーヤ、記録」
和臣に言われた立花さんが、ノートの新しいページを開いた。
「今回の事件は、不良グループ撲滅大作戦だ」
和臣は立ち上がり、両手をドンとテーブルについた。
「あいつらを、たたきのめす」
「被害者は、私たち全員ってことでいい？」
立花さんの言葉に、和典が舌打ちした。
「何かさぁ、オレたちが被害者ってパターン、多くね？」
「しかたがないよ。事件の依頼が少ないから、どうしてもボクたちが遭遇したものを解決するって形になるんだもの」
和彦がそう言うと、和典は、うんざりしたといったように両腕を上げ、頭の後ろで組んだ。
「ガキくせぇ…」
椅子の背にもたれかかりながら貴和に目をやる。
「コンビニ脇で煙草やってたヤツらと、オレたちをおそったヤツらは、別物かよ」
貴和はテーブルに肘を突き、その上で10本の指を組みあわせてアゴを載せた。
「全員の顔を見たわけじゃないけれど、コンビニ脇にいたのは3人で、その中の1人が、昨日の襲撃犯の中にいたのを確認した。同じ人間が、いくつかのグループに所属することはまずないから、同じグループだと考えていいと思う。人数だけ見ても、不良グループとしては大きいほうだよ」
和臣が、考えこむような表情になる。
「ん。不良の群れって、普通は、5、6人くらいだもんな」
和典が、天井を見上げてつぶやく。
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華菜原 舞衣 - うわっ４８分前っありがとうございます！楽しみにしてます。 (2020年5月27日 12時) (
レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» コメントありがとうございます！前世ユズリ…お仕事でやっていたんです。前世譲りの知識やテクはこれからも登場します。楽しみにしていてくださいね！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ひーとさん» コメントありがとうございます！これからは黒木くんの謎がさらに深まるのか、夢主ちゃんが過去を話す日は来るのか、ご注目ください。これからもよろしくお願いします！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 夢主の前世ゆずりのテクって・・・前世でもやってたってこと！？オソルベシ・・・更新、楽しみにしてます。がんばってください。 (2020年5月27日 10時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
ひーと - 黒木くんの過去が良い感じに仲を深めましたね〜。めっさキュンキュンします。此れからも楽しみにしています。更新大変だと思いますが、頑張ってください! (2020年5月26日 1時) (レス) id: c8f6957e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年5月20日 19時
