518話 ページ24
「未成年に喫煙をやめさせるのは、オレたちの仕事じゃないだろ。タバコを吸って、健康を損ねるのは本人だし、それが本人の選んだ道なんだから、こっちには関係ないじゃないか。タバコの料金には、かなりの税金が含まれてるけど、それ払ってるのも、タバコ買ったヤツだしね」
和臣も少し笑った。
「むしろ、納税者だ」
その頭を和典がこづく。
「黙ってろよ。黒木教授がレクチャー中なんだから」
貴和は、立花さんの顔をのぞきこみ、自分の顔を押しつけるかのように、じっと見つめた。
「だから喫煙を注意するのは、それを仕事としている大人に任せるべきだと、オレは考えているんだ。今はもう、皆で注意し合って世の中をよくしていこうって時代じゃないからね。自分に関係のない危険に、近づかない方がいい。あの時、オレが通りかからなかったら、どうなってたと思う？」
『もし立花さんが、どうしても見過ごせないから注意すると言うなら、命の危険を覚悟しないとダメよ。ナイフを持ってる輩もいるのよ。私たち中学生が、そこまで大きなリスクを背負って、相手の健康を守ったり、その周辺のわずかな空気の清浄を守ったりする意味って、あまりないでしょ。勇気と無謀は違うのよ』
立花さんはうなずいた。
しかし、そのタバコの話少し気になるわね。
和典も同じことを考えてたらしく、考え込んだ様子でつぶやいた。
「ただ、さ。金の出所、それが問題じゃ、ね？」
『やっぱりそうなるわよね』
よくわかってないらしい立花さんに、和典はいらだたしげに舌打ちした。
「連中が、どこから煙草代を出してるのかってこと。毎日吸ってるってことは、かなりな金額になるだろ。まさか親にはもらえないだろうし。どうしてるんだ？」
小塚くんが感心したように言った。
「経済問題に着眼するのは、いかにも上杉らしいよね」
『ま、中にはお金だけ与えとけばいい、使い方は知らないっていういい加減な親もいるでしょうけど』
貴和が、ふっと真剣な顔になる。
「今、タバコって、やたらに買えないはずだ。自販機で買うにはTASPOっていうカードが必要なんだけど、これは申請書を出して、20歳以上であることを証明しないと入手できないんだ」
あることに気付き、私はゆっくりと最後尾に回った。
「つまり、あの連中がタバコを手に入れるのは、ひどく難しいってこと。どうやって買ってるんだろ」
和臣が急に、大声を出した。
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華菜原 舞衣 - うわっ４８分前っありがとうございます！楽しみにしてます。 (2020年5月27日 12時) (
レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 華菜原 舞衣さん» コメントありがとうございます！前世ユズリ…お仕事でやっていたんです。前世譲りの知識やテクはこれからも登場します。楽しみにしていてくださいね！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - ひーとさん» コメントありがとうございます！これからは黒木くんの謎がさらに深まるのか、夢主ちゃんが過去を話す日は来るのか、ご注目ください。これからもよろしくお願いします！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - 夢主の前世ゆずりのテクって・・・前世でもやってたってこと！？オソルベシ・・・更新、楽しみにしてます。がんばってください。 (2020年5月27日 10時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
ひーと - 黒木くんの過去が良い感じに仲を深めましたね〜。めっさキュンキュンします。此れからも楽しみにしています。更新大変だと思いますが、頑張ってください! (2020年5月26日 1時) (レス) id: c8f6957e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2020年5月20日 19時
