404話 ページ8
【はい、望月です】
出たのは、望月本人だった。
若武くんは、送話口を半分、指で隠してから話す。
「おまえの秘密を知っている。バラされたくなければ、言うことを聞け。今すぐ、駅北口前のコインロッカー前まで来い。そこの右はしの上段のロッカーを開けて、中にあるメッセージを読むんだ。言うとおりにしないと、バラすぞ」
言い終わるなり若武くんは電話を切り、見ていた私たちに向かってVサインをだした。
「これで往復分、40分は時間ができた」
小塚くんが、息をのんで口をひらく。
「いつの間に、ロッカーにメッセージなんて入れたの」
若武くんは、軽く笑い飛ばした。
「デタラメに決まってっじゃん。とにかく時間を稼げればいいんだからさ」
でも、さっきのは上手い。
望月にバラされたくないことがあるのは確か。
だからこそ、あいつは騙されたのだ。
「さて、次は砂原だ。アーヤ、おまえがやるんだ」
「おい」
黒木くんが、望月家の駐車場を見おろしたままでつぶやく。
「出てきたぞ」
望月がすごい勢いで車のドアを閉め、エンジンをふかして飛びだしていった。
「アーヤ、早くしろよ。時間がもったいないだろ」
「でも、なんて言えばいいの」
「そんなの自分で考えろよ。女の子らしいのが、あるだろ」
私は、砂原くんの番号を呼び出したスマホを渡しながら言った。
『話したいことがあるから、駅まで来て、って言うだけでいいわ』
しばらくして、駐車場から自転車で走り出ていく砂原くんが見えた。
ごめんなさいね。
「さぁ、調査開始だ。行くぞ」
玄関のドアは、例によって万能キーオープンで開けた。
そしてみんなには、手袋も渡した。
「上杉、黒木、桜田、上だ。オレと小塚、アーヤで下を見る」
私たちはすぐ、階段をかけあがった。
階段から一番近い部屋のドアを開け、驚いた。
そこは、南向きの大きな部屋で、とても明るく、豪華だった。
壁ぎわに、革を張った1人がけの黒いソファと飾り棚があり、その隣に本棚が置かれている。
机ともう一つの本棚は、窓のそばにあった。
黒いソファに青いクッションが3つのっており、飾り棚には、赤や金のリボンを結んだたくさんの優勝カップやトロフィーが置かれてある。
しかしどれも台座のプレートに印字がされておらず、なんのカップや、トロフィーなのかわからない。
本棚には、六法全書と法律関係の本が入っている。
よく利用しているというよりは、きれいに並べてあるという感じだ。
66人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ライ(プロフ) - 「まず桜田の家で、東大の卒業生名簿を見た。浪人している可能性も考えて、前後の年代も見てみたけれど、望月孝太郎の名前はどこにもなかった。あの人は、東大を出てないね」 みんなは、うなずいた。 それは、保険証からも確認できている。の部分が重複してますよ! (2021年3月26日 14時) (レス) id: 65b1e4f8ab (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - manaさん» コメントありがとうございます!まだまだ拙いこの作品を気に入っていただけて嬉しいです。その応援を糧にこれからも頑張っていきます! (2020年3月30日 18時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
mana - 私この作品大好きです!ものすごく面白いです!更新楽しみに待ってますので頑張ってください!応援してます (2020年3月30日 18時) (レス) id: ecb2e4c19d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 透架さん» コメントありがとうございます!神作とまで言っていただけて本当に嬉しいです。これからも頑張っていくので、応援よろしくお願いします! (2020年3月21日 13時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
透架(プロフ) - 最近kzの小説が減ってきてて漁りまくってたら神作に出会いました!!すごく面白いです!更新頑張ってください!! (2020年3月21日 12時) (レス) id: 2be61dc08d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きょっちー | 作成日時:2020年3月20日 13時