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76話 ページ28

二振りの鶴丸国永に挟まれる機会なんてそうそう無いと思う。
後ろから腕を引いたのは自分の本丸の鶴丸さんで、バチバチと何やら険悪な雰囲気が広がり、
私はその場から逃げ出したい衝動に駆られるものの、両腕を掴まれていて逃げられなかった。
主様に視線を向けると、手を口に当てて
先程より瞳を輝かせている。
指の隙間から主様の口角が上がっているのが見えて、私は頭を抱えたくなった。
勿論、先輩審神者様も同様だ。

ふと周りを見回すと足を止めてこちらを見ている人達がいることに気がつく。
まだ残っていた審神者や刀剣、政府の役人。
四方八方から好奇な視線が突き刺さった。
嫌な考えが頭をよぎり、背中に冷たい汗が伝う。

まさか、注目されてる?

しかし、流石に恥ずかしいと焦る私や周りの状況に彼等は気づく様子はなく、火花を散らしていた。

「手を離せ。嫌がっているだろう。」
「彼女が嫌がっているのは君だけだと思うが?」
「………違う。」
「ほぉ。否定出来るなんて随分自信があるんだな。抱きつかれたくらいで偉くなったもんだ。」
「抱きつかれたことがないお前よりはマシだ。」
「丁度抱きしめる所だったんだが。君が邪魔したんだろう?」


…もうダメだ。二振りの間にいるのにも関わらず 高速な言葉のキャッチボールに私は完全に着いていけない。
鶴丸さんがどうしてここまでムキになるのかがさっぱり分からないし、国永もあえて煽る言い方はやめてほしい。
この人達、仲悪いんだっけ?
何だろう、同族嫌悪ってやつなのかな。

そんなことを考えていたら、グイッと後ろに腕を引かれて、
「今のは本当なのか?」
と、険しい鶴丸さんの視線が私に向けられた。

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華音(プロフ) - 初めまして、刀剣乱舞大好きで一通り読ませて頂きました♪泣いたり笑ったりとても楽しかったです。ただ所々ですが誤字脱字やヒロインの名前が変換されてない個所が全体的に多かったので^^;ご報告させて頂きますね。 (2022年1月15日 14時) (レス) @page43 id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - こだぬきさん» 本当にありがとうございます。以前のコメントもとても励みになりました。感謝の気持ちでいっぱいです。 (2019年8月15日 9時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - 藍花さん» ありがとうございます。楽しんで頂けたのなら何よりです、 (2019年8月15日 8時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - anao10さん» そう言ってもらえて嬉しいです。私も鶴丸対決は書いてて楽しかったです。 新作も書きました、是非興味があれば読んでみて下さい。 (2019年8月15日 7時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - 椿さん» コメントありがとうございます!その後の話はもう書いてあるので、また載せていこうと思います! (2019年8月15日 7時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年6月25日 18時

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