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第1章 ページ8

図書室に入り角部屋へと向かう。
帝光の図書室は広いため、いくつもの本棚を通り過ぎる必要がある。
最後の本棚の向こうの角にその部屋はある。
図書準備室というプレートを見て、
意を決してドアノブを回した。


「あ、司書さん?丁度よかった今日はもう帰ろうと」
そこまでいって女は読んでいた本から顔を上げた
部屋にいたのは、女1人だった。
見たところ制服も着ているし、生徒だろう。

「お前が」
いや、この目の前の女が神霊探偵か?
司書さんがからかっていたようには見えないが。
「何? ここ使うなら一様司書さんに許可を貰ってね」

「違うのだよ、司書さんにここに行けばいいと言われたのだよ」
そこまでいうと、女は読んでいた本を置いて
姿勢をこっちに向けた。
真っ黒な瞳が目に入る。
「じゃあ、私に何か用?」

「お前が、噂の神霊探偵というやらか?」

「うーん。まぁ、半分正解ってところかな。探偵を好んでやってるわけじゃないから」

自分と同じくらいの女子生徒が噂の根本だなんて信じることができなかった。

「でも、君の悩みはそれでしょ」
その左腕と、指をさした。

「わ、分かるのか?」
「まぁね。そういう体質なんだ。タイムリミットは明日ってとこ? 昨日見た時よりも印が濃くなってる」
と、女は呟いた。

ーちょっと待て、今この女は昨日見たと言ったか?
「どういうことだ。 気付いていたのか?」
「まぁ、 昨日お昼にぶつかった時にね。覚えてる?」
「な、なら!何故その時に」
「言ったら信じた?」

図星だった。 おそらく、あの時に言われても
見ず知らずの女かつ、部活の仲間がいる中で
言われても 聞き入れなかっただろう。

「街を歩けば何百にもの人が取り憑かれていいる。一人一人なんて相手にしていられないの。慈悲団体じゃないもの。だから、目の前に起きている非現実を認め依頼してきた人だけ協力するようにしてるのよ」

司書さんに言われた事に思い当たることがあって、ここに来たんでしょう、と言った。

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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年3月14日 11時

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