第3章 ページ46
「ちょ、ちょっと青峰君！ ていうか、皆で何処行くの⁉」
朝の校舎を7人の生徒が走る
桃井は何時も自分が起こしに行く青峰に起こされたことで 不思議に思ってならなかった。
「桃井、最近困ったことが無かったか？」
走りながら赤司が尋ねて、桃井は目をそらした。
昨日は帰ってずっと毛布にくるまり、今日の朝だって 親に文句を言われながらも
鏡のないキッチンで顔を洗っていた。
「それは‥」
「鏡 ですよね」
黒子の言葉に桃井は顔をバッとあげる
「大丈夫ッスよ桃っち！ 神憑っちの力は本物ッス！」
親指を立てる黄瀬の頭を余計な事を言うなと緑間が叩く
「神憑さん？」
桃井は何が何やら分からなかった
「俺、アイツ嫌いだけどな！ 」
青峰がブツブツ言っていて、桃井はますます不思議で首をかしげる。
「まぁ、あの代償に関しては気にすることないのだよ。 神憑はあの質問で覚悟を試しているだけだと思うからな」
緑間がそこまで言った時図書室の前にたどり着いた。
ガラっと扉が開く。つまり、神憑がもう来ているというわけだ。
本棚を通り過ぎ 角の部屋へと向かう。
そして先頭にいた青峰がドアノブを回した。
「あ、 早かったね。って、全員じゃないか」
元々置いてあった椅子や机が避けられ
中央にスペースが出来ていた
そして奥には布が被せられた物体があった。
「部屋には入らない。ただ、ドアの外で待たせてもらう。」
赤司の言葉に神憑は開けられたら困るからドアの鍵は閉めるからねと言って桃井に近付いた。
「おはよう。桃井さん。 話は聞いてる？
‥ その目は聞いてないな」
神憑の存在にビックリしている桃井の顔に
ため息がでた。
「鏡と言ったら通じる？ 最近変なことなかった？ 例えば 笑ってもいないのに鏡に映る自分が笑ったりとか」
その言葉に桃井は真っ青になった
「その顔は自覚ありだね。もうすぐ君は鏡の貴女に体を奪われるよ。 記憶が飛んでいると思うのもそのせい。 私と約束すれば貴女を助けてあげられる。 どうする？」
自分の感じていた違和感や恐怖を全ていい当てられ桃井は目を潤ませた。
「た、助かるの？」
「約束すればね」
と、神憑は小指を立てた
「す、する！」
桃井も慌てて小指を立てて引っ掛けた。
「ちょっと。約束内容をしっかり聞こうよ。
１つ 死んでも恨まない。２つ
代償として貴女の大切なものを１つ頂く。
どう？」
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作者名：杏子メロンパン | 作成日時：2019年3月14日 11時
