第3章 ページ43
「 こういうのは依頼人が居る場でしか話したくないんだけど‥ まぁ、いいや」
神憑はため息を吐いた。
「 桃井さんは 体を乗っ取られてる。恐らく鏡の中の自分に」
は？ と緑間と黄瀬以外の4人は声を上げた。
構うことなく神憑は続けた。
「この発動条件は２つ。 １つは、鏡の前で自分に対しての弱音を吐くこと。」
その言葉に黄瀬が口を挟んだ。
「そんなの誰にでもありそうッスけどね」
「ええ、そうよ。２つ目が肝心なの。割れた鏡に自分の血を垂らすこと。」
その言葉に緑間は驚いた。
「桃井が自分から やったということか？」
「そんなの 知らないよ。 でも、ちょっと量でもそれは起こるから。事故かもね」
そこまで言って青峰が声を上げた
「ふ、ふざけてんのか⁉ お前！てか、緑間も黄瀬も 信じてんのか！？」
「青峰少し黙れ。 神憑、質問いいかな。
その発動条件だと 偶然で多くの人達が起こりそうだが」
赤司が真剣に聞いた。
青峰も赤司の信じているかのような発言に驚く。
「多くの人が起きてるよ。 でも、普通誰も気付かないでしょ？ 鏡の自分なんて声も見た目も記憶も同じなんだから。 本人でさえも、記憶障害かなぁと思って 徐々に奪われていくだけ。貴方達だって、私がいなければそんな非現実的なことは頭にも浮かばないでしょ？」
当たり前のように言い放った。
「それじゃあ、 貴女は桃井さん以外にもその現場を見たことがあるんですか？」
黒子の言葉に神憑は頷く。
「街を歩けば‥ うーん 何人かは気づいたことあるよ」
「ならっ！桃井さんの事もあの時気付いたんではないですか？」
「 まぁ、正確にはあの子が図書室に本を借りに来た時かな。 」
「司書さんは神憑なら助けられると言っていたのだよ」
緑間の言葉に赤司は目を鋭くした。
「君は気づいていながら、助けられるのに
黙っていたんだな」
「依頼されてないからね」
その言葉に 切れた青峰が神憑の胸ぐらを掴んだ
「ちょ！ 青峰っち！」
黄瀬が止めようとするが、青峰の力は強かった。
「ふざけんなよ、今すぐ助けろ‼」
神憑は青峰だけでなくその場にいる全員に睨まれているのを感じた。
しかし、怯むことなく、目の前の青峰を神憑は冷たく見つめる。
「 助けろって随分簡単に言うわね。その過程で私も危険な目にあうのに。 」
「なっ！」
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作者名：杏子メロンパン | 作成日時：2019年3月14日 11時
