第3章 ページ36
その後、黒子にデータを拾うのを手伝ってもらい、監督に提出した後 事情を聞かれたが
応えられなかった。
相談はしたい。だけどこんな現実的ではない事を言って困らせてしまうのではないか、
マネージャーとして選手に迷惑をかけてしまうのではないか その考えが頭にうかんで口を開けなかった。
「桃っち、なんか顔色悪くないスか?」
休憩中に黄瀬が桃井に尋ねた。
「桃井さん、先日の事といい何か悩みでもあるのなら言ってくださいね」
近くにいた 黒子も心配する。
「ありがとう、テツくん、きぃちゃん」
桃井は力無さげに微笑む。
そう、桃井はあの事件のあと 眠れない日々を過ごしていた。
今時 鏡なんて何処にでもある。日常に溶け込んでいる物に怯えるのはとても疲れてしまうのだ。
「何?さっちん元気ないの? ならこのお菓子あげる〜 この前飴くれたもんね」
さらりと言われた紫原の言葉に桃井は顔を青くさせた。
「さつき?」
お菓子を受けとらずに黙っている桃井を不思議に思い青峰が声をかけた。
「あ、ありがとう‥ むっくん‥」
紫原の差し出したお菓子を取ろうと手を伸ばした時 ガラッと 体育館の扉が開かれた。
体育館中の生徒の視線が一斉に集まる。
「桃井さん いますか?」
噂の女の子がそこに立っていた。
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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年3月14日 11時