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第3章 本当の自分 ページ33

「桃井さんちょっといい?」
教室に現れた女の先輩の姿に
ため息をついた。

校舎裏なんてテンプレな所まで連れてこられたと思ったら一斉射撃だ。

「この前黄瀬君とデートしてたって聞いたんだけど」

「一体どういうつもり、青峰君だけじゃなくて黄瀬君にまで手を出してるの?」

「街で一緒に私服で歩いてるの見たって」


あらぬ誤解をされているが
訂正させてもらうと、デートではない。
なぜならその日その場には黒子もいたのだから。

数日前 黄瀬の不運続きが解決?した後
マグカップを買うのに付き添ったのだ。
解決といっても、
緑間がよく分からないことを言って
走っていったと思ったら、赤司が図書準備室の噂を口にして、確かめようと皆で向かったら2人は本当に準備室にいた。
とにかくなんとかなったっス、なんて言うから事情を聞いたが 2人共はぐらかして答えてくれない。 緑間なんて神霊探偵やら
幽霊やら言っていたのに おは朝なのだよ
と、訳のわからん一点張り。
前の緑間の事といい 疑問が積もるばかりだ。
悶々と考えていたら
「ちょっと、貴女聞いてるの?」
と、声を上げられた。

本日二度目のため息は心の中で吐いた。


休憩! 部活中、主将の声で休憩に入る。
仕事を一通り終え トイレに立ち寄り、
鏡の前で三度目のため息を吐いた。

マネージャーの仕事は忙しいが
皆が楽しそうにバスケをする姿が好きだし、
見ているこっちまで楽しいから苦はない。
幼馴染とその相棒のプレーは特に桃井はお気に入りだった。でも、それと同時に 男の子達の友情とか絆とか 青春と呼べる姿に憧れていた。
彼女自身、友達がいない訳じゃない。
でも、本当の友達というのがいるか? あの2人みたいに心から信頼できる人がいるか?と、聞かれたら自信がなかったのだ。

例えば今日みたいに 呼び出されたりした時、自分がピンチの時に助けに来てくれるような人‥ そんな人が居ればなぁと、思わずにはいられなかった。

「 なんか疲れちゃうなぁ」
そう呟いて 女子トイレを出た。

第3章→←第2章 完



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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年3月14日 11時

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