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二十三話 〜過去編4〜 ページ25
お兄ちゃん達のお話
引っ越した先、女の子と遊んでくれた男の子二人がいました。
二人は隠すのがとても上手でしたから、女の子は、最後まで気がつきませんでした。
二人が病んでいるということに、家族が殺されるまで。
藍香「ただいま！」
そういってもむなしくひびくだけ。
かえってくるはずないのに。
それでもきたいしてしまっているのもたしか。
いつもとちがって、みょうなにおいがするいがいでは。
こういうにおいを''ふはいしゅう''っていうんだっけ。
まえにれいおにいちゃんにきいたことがある。
でも、いつもならここらへんでおかあさんたちがぼうげんやらぼうりょくやらするはずなのに。
なんでいないんだろう
藍香「おねえちゃん？」
おねえちゃんがいるなら、はなしはべつだけど。
まぁ、おねえちゃんといっても、きんじょのおばs･･･ひとなんだけど。
そうやっていまにあがる。
藍香「･･･っ！」
こえにならないさけびをあげた。
それもそうだった。
かぞくのしたいがあった。
それはまだ、受け入れることもできた。
おねえちゃんのしたい、それをみたしゅんかんのうがりかいするのをきょひした。
それでもしせんはそのさきにむかっていく。
おにいちゃんたちがいた。
藍香「おにい、ちゃん？なに、してるの？」
どうか、こたえてほしい。
いえにきたらこうだった、と。
零「お、藍香じゃん、おかえり〜」
''おかえり''いつもならうれしいはずのことば。
いまはきょうふしかかんじられない。
凛月「ばれちゃったか〜、なにしてるの？って聞いたよね〜？それは、」
りつおにいちゃんがいっぱくおいてくちをひらいた。
凛月「邪魔な人達を消してるんだよ〜」
ききたくなかったことば、よそうできてたことば。
こころのなかでつぶやく。ああ、おにいちゃんたちもか。
そんなふうにれいせいさをたもとうとしても、ちまみれでくるおにいちゃんたちのきょうふにはさからえない。
くるりときびすをかえしてかけだした。
その後のことは、よく覚えていない。
確か、ヴァイオリンの師の家に駆け込み、お世話になった。
自力で稼ぐために、プロのヴァイオリニストもやることにした。
誰のために生きるかも見失ったまま。
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作者名：エル | 作成日時：2022年9月29日 20時
