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一週間後。早速外泊届けを教官に提出した俺は、Aちゃんと待ち合わせているカフェに急いだ。
他の面子もどうやら今日一日は親や恋人、妹や兄に会いに行ったりするようで、初日は全員別行動になった。
一応、数日後には全員で海に行く予定もある。今から楽しみなのは俺だけでないことを信じたい。
Aちゃんの元へ向かう道中。照り付ける太陽光とアスファルトに反射する熱に、思考が茹だり始める。
こんなことなら日傘でも持って来るべきだったな。
流石に姉ちゃんの居る俺でもそこまでの女子力はないが。
Aちゃんが熱さにやられてなければ良いけど。
「おっ、Aちゃーん！」
そんな心配も杞憂で終わり、涼しげな格好で日陰に立っていたAちゃんが俺の声に反応して顔をあげる。
遠目から見てもキラキラと輝く金髪が眩しい。モデル顔負けの出立ちをしていることがここからでも窺い知れ、同時に周囲の視線が男女関係なく彼女に突き刺さっていることにも気付く。
本人は鈍感なのか、全く気づいてないようだけど。良いのやら悪いのやら。
同期の降谷ちゃんにも似たような部分がある。幼馴染の諸伏ちゃん曰く、「周囲の視線が突き刺さることが当たり前すぎて逆に気づいてない」とのこと。なるほど妙に納得したわ。
「けんいく、ひさし、うり！げーき？」
「うん、久しぶり。俺は元気だよ」
夏の暑さから逃げるように彼女の居る日陰に逃げ込むと、早速、拙い言葉が俺の名前を紡ぐ。
それと同時に、全く日焼けを知らなそうな真っ白な指先が「久しぶり」「元気？」という形に動かされた。
出会ったばかりの時、知らない手話に戸惑ったのが懐かしい。
最近は大抵の手話なら読み取れるので、俺も口で言いながら手話を返す。「久しぶり」「元気だよ」「君は？」と。
こんな会話もすっかり体に染み付いた。思い返せば彼女と出会ってもう六年。道理で最近シワが増えてきたわけだよねぇ。
Aちゃんしかり、降谷ちゃんしかり、老いとは無縁の人間も一定数居るみたいだけど。
「今日暑いから中で待っててくれても良かったのに」
「？？？」
今のはちょっと早く言い過ぎてしまったようなので、もう一度口を大きく開けながら言葉を繰り返す。
するとAちゃんは暑さで真っ赤になった顔を綻ばせ、すいすいと、何かを伝えるように手先を動かす。
「俺に、早く、会いたかったから？」
「うん！」
はぁぁなんでそういうことサラッと言っちゃうかなこの子。
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ひなみ - 読み終わった後、偶然、コナンのＥＤにもなった「ジューンブライド〜あなたしか見えない〜」を聴いたんですが、この曲の歌詞が妙にこの作品に合っている気がして、またこの作品を思い出して泣いてしまいました。心に残る素敵な作品をありがとうございました。 (2022年10月16日 17時) (
レス) id: ba9ab70415 (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ - 読み終わった今も涙が止まりません…。まず二人が助からないと分かったところで大号泣、夢主が既に亡くなっていたと分かったところで大号泣、最後の写真で大号泣…。ずっとギャグだったから、こんな結末全く予測していませんでした…。 (2022年10月16日 15時) (レス) @page49 id: ba9ab70415 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 最後のイラストで涙が止まらなくなりました😭 (2022年6月23日 22時) (レス) id: 1cfa02e0c5 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - まさかの結末で涙が止まらない、、、 (2022年6月14日 19時) (レス) @page48 id: 2eb7e133f7 (このIDを非表示/違反報告)
milk - なにこれ、悲し過ぎない！もうtｼｬﾂの袖がびしょ濡れになりました (2022年5月26日 0時) (レス) id: b9832e8e21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無糖
| 作成日時：2021年7月25日 15時
