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固まる俺を無理やり引っ張って店に引きずり込む伊野ちゃん。細いくせに力あるんだよ。よくわかんない。
数分そこで待っていると、並んでいたお客さんがすっきりといなくなった。
雄也さん曰く、昼のピークは過ぎたから、と。
雄也さんと山田くんがラムネを4本持ってこちらに向かってくる。これあげる、だって。
「たかぎめっちゃ太っ腹じゃん!」
「そんな事ないよー、」
「ったく、かっこつけちゃって…。あ、2人のことはなんて呼べばいーい?」
「伊野ちゃんでも伊野尾ちゃんでも慧ちゃんでも…」
「じゃあ伊野尾ちゃんね」
「はや!」
俺の前に青い綺麗なラムネが置かれる。
なんかさ、ラムネって海みたいだよな。
例えが自分でもよく分かんないけど。
「…?おーい、大ちゃん。聞いてる?」
「えっ、あ、ごめん何?」
「おいおい話聞いとけよ〜」
「ふふ、呼び方、何でもいい?」
「あー…うん、何でも、!」
なんか知らぬ間に、俺の隣には山田くんが座ってて。心臓が飛び出るかと思った。
座ってる椅子が小さいせいで、距離がすげぇ近い。
大丈夫かな俺。汗臭いとかない?いい匂いする?大丈夫?
「俺はなんて呼べばいい?」
「んー俺年下だから、山田でいいよ?」
「あ、うん、分かった、」
数秒目合わせるのもキツくて、
その会話が終わった瞬間に視線を、握りしめるラムネに戻す。
少し視線を上にあげると、真正面に座った伊野ちゃんが何か物を言いたげにニヤつきながら俺の顔を見て頷いている。
「な、なんだよ」
「くふふっ。…あ、ねえたかぎ、お手洗いってどこにある?ちょっと案内してよ」
「あ、うん。2人とも、熱中症気をつけてー」
「はーい、行ってらっしゃい」
寄りによって雄也さんを連れてった伊野ちゃん。
…やばい、緊張してる。
俺人見知りじゃないはずなのに、めっちゃ緊張してる。心臓うるせえ…。
「…大ちゃんって、人見知り?」
「あ、いや…?違うはず…」
「そっかぁ、…俺めっちゃ人見知りなんだよね、」
そう言ってラムネを口に運んで1口、喉に通す…山田。
喉仏が上下に動くその光景を無意識に見てしまって、焦ったように俺もラムネを口に運ぶ。
「でもね、なんか思うんだよ」
「ん?」
「…俺、大ちゃんとは仲良くなれる気がする、」
そう照れたように口角をあげて笑った山田。
その笑顔は、頭の上から照りつける太陽と同じくらい…それを上回るほど、眩しかった。
‥
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だんご(プロフ) - 綺麗な文章で素敵でした!arymちゃんと思いきや大好きなtkinも出てきて幸せでした。ありがとうございました! (2021年4月23日 14時) (レス) id: 75e27edd14 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 綺さん» ありがとうございます( ; ; )はい!待ってます♪ (2020年7月4日 10時) (レス) id: 8a2ad34e00 (このIDを非表示/違反報告)
綺(プロフ) - もえさん» 読んでいただいてありがとうございました!今のところ考えてないので何かいいお話が浮かべば書かせていただきますね! (2020年7月4日 6時) (レス) id: d4403408f6 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 完結おめでとうございます!もし宜しければ番外編等書いて欲しいです! (2020年7月4日 2時) (レス) id: 8a2ad34e00 (このIDを非表示/違反報告)
綺(プロフ) - 盟さん» こちらこそ読んでいただいてありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2020年7月3日 12時) (レス) id: d4403408f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺 | 作成日時:2020年6月4日 8時