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‥
「はぁ、雄也もほんと自分勝手…」
「なんかごめんね…」
「あ、全然!大ちゃんは悪くないから!」
夕飯を食べ終わって、ゆったりと過ごした後、二手に別れて部屋に戻った。ただここで予想外の事が。
通されたのは、和室のはずなのにそんな風に感じさせないオシャレな部屋。…そう、山田の部屋。
「俺、布団で寝るとかめっちゃ久々」
「見てわかる通り、狭すぎてベッドなんて置けないんだよね。ごめんね?」
「んーん!旅行って感じすんじゃん?」
床に並んで敷かれた布団。同じ家、同じ部屋、隣同士。考えるだけで頭がやられそうだった。
2人共布団に入って、電気を消す。
微かに聞こえる波の音が、また夏を感じさせた。
「大ちゃんはどこから来たの?」
「車でも結構かかるとこ。今日めっちゃ朝早く出たのにここ着いたの昼すぎだもん」
「そんなにかかるんだ。…いいなぁ。…俺ね、この街から出たことないんだ」
うつ伏せになって枕の下に手を通しながら、山田が寂しそうに呟く。海辺に住む、街から出たことない青年。まるでドラマの世界の主人公みたい。
山田が窓の外を見つめて、外に見蕩れるように微笑んだ後、今度は子供みたいに無邪気に笑う。
「来世に期待かなっ!」
「ははっ、何それ?」
「ふふ、じゃ明日も早いから俺寝るね」
「あ、うん。…おやすみ」
布団を被った山田が俺とは反対の方向を向いた。
良かった、こっち向いて寝られたら、
ほんと、まじで、色々とやばい。
…って、俺、
山田に会った時から、ろくなこと考えてなくない?
これもきっと、夏の暑さのせいだ。
なんて、快適に寝られるほどの涼しさの中で思ってみたりもした。
‥
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だんご(プロフ) - 綺麗な文章で素敵でした!arymちゃんと思いきや大好きなtkinも出てきて幸せでした。ありがとうございました! (2021年4月23日 14時) (レス) id: 75e27edd14 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 綺さん» ありがとうございます( ; ; )はい!待ってます♪ (2020年7月4日 10時) (レス) id: 8a2ad34e00 (このIDを非表示/違反報告)
綺(プロフ) - もえさん» 読んでいただいてありがとうございました!今のところ考えてないので何かいいお話が浮かべば書かせていただきますね! (2020年7月4日 6時) (レス) id: d4403408f6 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 完結おめでとうございます!もし宜しければ番外編等書いて欲しいです! (2020年7月4日 2時) (レス) id: 8a2ad34e00 (このIDを非表示/違反報告)
綺(プロフ) - 盟さん» こちらこそ読んでいただいてありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2020年7月3日 12時) (レス) id: d4403408f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺 | 作成日時:2020年6月4日 8時