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【A】
A「翔ちゃん、これは必要なものだからね
終わったら取っていいですよーって先生も言ってたし、」
S「ん……」
だめだ。
翔ちゃんの目線が下がっちゃってどうしても点滴が目に入る
なんでチューブが刺さってるかわかんないから怖いんだよね
それに対人恐怖症みたいになっていて、さっき先生が入ってきたときも指一本触れることはできなかった
俺らに恐怖を感じていないことだけが幸い。
O「ただいま」
S「さと…」
O「翔君起きれたね
ご飯は食べた？」
S「んん…」
O「じゃあ運ばれてきたら一緒に食べようね」
S「ごはん、いいの……？」
N「もちろん」
5分もしないうちに夕ご飯が運ばれてきた
翔ちゃんの状態を考えて、ってことなんだろうけど、どろどろの病院食は食べる気にはなれない
翔ちゃんの目の前で弁当広げんのもな…
O「翔くん食べられそう？」
S「ん。たべる」
O「じゃあ約束しよう
無理はしないこと。もういらないなって思ったら教えて？」
S「でもっ…」
O「ううん、食べられるだけでいいの。」
リーダーのその言葉で食べ始めた翔ちゃんはやっぱり無理しちゃって、その夜ほぼすべて吐き戻してしまった
先生が処置しようとしても拒否。俺らが片づけようとしても拒否。
とりあえず口だけは何とかゆすいで、眠りに落ちたすきを見て先生が点滴を打ってくれた
「大変言いにくいのですが、今の状態の櫻井さんをうちで診ることは難しいです。
どこか専門の機関に行くか、ご自宅で自宅療養という形をご検討ください。」
点滴の処置のサポートをしていた看護師さんにそういわれた
出ていけ、ってか……
「「「「どうする？」」」」
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作者名：きー | 作成日時：2021年5月6日 1時
