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あーあ、ついてないなぁ。
朝からフライパン焼いてキドに怒られたし、マリーを怒らせて石にされちゃうし、
ちょっとキサラギちゃんをからかっただけで殴られたし、エネちゃんにはけなされるし、
シンタローくんには変な目で見られるしで。
なんだか今日はついてないなぁ。
近くの公園にあるベンチにそっと座った。
太陽はまだ高い。
今日の最高気温は25度を超えると聞いた。
そろそろ夏だ。
滲む汗を服の袖で拭った。
「あっついなぁ」
「今日は、夏のように暑いですよね」
「へ?」
いきなりだったので変な声を出してしまった。
隣りを見ると、女の子が居た。
「あ、あぁすいません!独り言に反応してしまって…!」
「そんなことないですよ〜。確かに今日は暑いですもんね」
女の子をじーっと見る。
首元に、赤いマフラー。
頭に赤い髪留め。
まるで誰かさんを連想させるようなものを身に着けている少女になぜか親近感がわいた。
違うんだ。この人は、姉ちゃんじゃないんだから。
自分に言い聞かせた。
僕の大切な人がいなくなったあの日。
僕は赤色というものに非常に反応しやすくなっていた。
「夏なのにマフラーして暑くないんですか?」
「あっ、私夏でも首元が冷えるので…。それでいつもマフラーをしているんです。
おかしい、ですよね」
彼女は控えめにそう言った。
「全然おかしくなりですよ」
僕はにっぱりと笑った。
「ホントですか!」
彼女の笑った顔はどことなく姉ちゃんに似ていた。
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作者名:メルティーピエロ | 作成日時:2018年4月15日 13時