４９話目 ページ49
「...何か蜜が少なく見える...。」
「え？普通だろ？」
「んー、地元の方は上にもっとかかってるよ？」
瀬呂の方を見ながらかき氷を食べ始めたA。
「って事は...上にも下にも蜜たっぷりって事か？」
「下に入ってんの、これ！？」
かなり驚いた顔をして俺の顔を見てくる。
「そんなに驚く事かよ？」
爆豪はかき氷シャクシャクして呆れた声を出す。
「へぇ、だから少ないんか。地元じゃ、上にかかってるのしか無いからさ〜。」
「「「「マジか！？」」」」
「え...あ...うん。こんな所にも関東、関西の違いあるんやなぁ。」
納得したような顔でかき氷を美味そうに食って、ニコニコと笑った。
「あ、皆...知ってる？イチゴ、レモン、ブルーハワイとかの王道ってさ、実は全部同じ味って事。色で騙されてるんやって、舌が。」
「知んねぇ！悩んだ俺...バカみてぇじゃね！？」
「バカじゃねぇんかよ、アホ面...。」
「知らなかった...ガキの頃あんなに悩んだのによ〜。」
瀬呂は足をばたつかせてかき氷をかき混ぜる。
「言われてみれば...大差ねぇかも？」
「そやろ、切島！実は私も去年知って驚いたもん。」
かき氷を食べ終わって、次は何をするか相談をし始めた。
「あんず飴は後で良いとして...梅ジャムのやつ食う？」
「チャレンジしよかな、上鳴。」
「んなら探すぞ、その屋台をよ。」
「おう、行くか！」
「A、手ぇ繋ぐんだろ？」
「うん！」
俺の手を握って見上げてくるAがあまりに可愛く見え、ニヤけそうになるのを必死で抑えて歩き出す。
「あった！あれだ！」
瀬呂はソースせんべいと書かれた屋台を見つけて嬉しそうな声をあげた。
「ソースもあるん、切島？」
「ソースもあるけどよ、やっぱ梅ジャムがガキの頃から馴染んでんだ。」
「ごちゃごちゃ言ってねぇで食ってみろや？」
「ルーレット回して、当たった枚数食えんだよ！」
上鳴はおばちゃんに金を渡してルーレットにチャレンジ。
「お！12枚〜！梅ジャムでお願いしま〜す！」
各自ルーレットを回し、瀬呂20枚、爆豪15枚、俺20枚、A12枚、それぞれ梅ジャムを塗ってもらう。
「何か...どっかのネズミのキャラみたいにくっつけられてる！」
Aは吹き出し笑いをしてせんべいをマジマジと眺めた。
「うーん、このチープな味がたまんねぇ！」
「ガキの頃は美味く感じたけどよ、今は何かちげぇな。」
「え？美味ぇじゃん！？」
Aは３人を見て、恐る恐る食べ始めた。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2017年7月14日 19時
